弘明寺商店街内にある地域子育て支援拠点「はぐはぐの樹(き)」に1月26日から子育て相談に専門的に応じる「横浜子育てパートナー」が配置された。市の子育て支援策の一つで、全区の子育て支援拠点に1人ずつを置き、子育て世代が持つ悩み全般を受け付ける。「はぐはぐの樹」のパートナーは「相談に来て自分に合った情報を見つけてほしい」と呼びかける。
「横浜子育てパートナー」による相談窓口の開設は、国の「子ども・子育て支援新制度」を受けて実施される市の利用者支援事業。多くの子育て支援策がある中で、相談者に合った情報を提示し、円滑な利用へつなげることが目的の柱だ。
よろず相談役
同事業は、市が待機児童解消を目的に全国に先駆けて実施した「保育・教育コンシェルジュ」をモデルに制度化された。区役所に配置される保育コンシェルジュは、主に就学前児童の預け先情報の提供などを行っているのに対し、子育てパートナーは、子育て世代が集まる支援拠点に配置され、子育て期のさまざまな悩み事について一緒に考え、適切な支援機関を紹介する「よろず相談役」的な役割を担う。さらに、単なる相談窓口としてだけではなく、民生・児童委員や自治会町内会、NPO法人など、地域で子育て支援に関わる団体とのネットワーク強化にも取り組む方針だ。
窓口明確に
同事業は昨年2月から神奈川区の地域子育て支援拠点「かなーちえ」で先行実施されていた。総合的な窓口が明確になり、利用者からの評価も高い。
同支援拠点の利用者支援専任スタッフの東田信子さんは、月平均で20件の相談を受けている。以前に比べて親の介護や人間関係の悩みなど、親自身のプライベートな内容が多い傾向にあるという。「悩みの背景まで聞き取ることを心がけている。一人ひとりに適切な情報を提供し、必要があれば支援窓口を紹介している」と話す。
3人の育児経験
南区の「パートナー」として活動するのは、市來(いちき)栄子さん。自身の経験から子育てサークルを作り、2004年から「さくらザウルス」で親子の広場作りに携わり、施設の責任者を務めるなどしてきた。大学生の長男、高校生の次男、中学生の三女の3人の子どもを育てた経験を持つ。
市來さんはパートナーとして、「はぐはぐの樹」で相談に応じながら、これまで拠点が行ってきた各地域の子育てサロンや関係機関との連携も進めていく。「ネットなどに子育て情報があふれる中、相談者に合ったものを見つける手伝いができれば」と話す。
電話や個室、子どもを遊ばせながらの相談も可能で利用は無料。相談時間は拠点が開く火曜日から土曜日の午前9時30分から午後4時まで。これまで拠点のスタッフが応じてきた相談も続けられる。
こども青少年局子育て支援課の齋藤真美奈課長は「地域とともに子育て家庭のニーズに合わせた支援を進めていく」と地域との連携を強調し、「今後は月1回の担当者会議で情報共有しながら、フォローアップに努めていく」としている。
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