2017年に完成350年を迎える吉田新田にスポットを当てた企画展「ハマの大地を創る-吉田新田から近代都市へ-」が4月15日から横浜開港資料館=中区日本大通3=で始まった。会期は7月18日まで。入海だった現在の横浜市の中心地が江戸時代に干拓され、時代とともに町として生まれ変わっていった様子を、貴重な史料とともに振り返っている。
企画展は同館新館で行われている。開発前後の図をはじめ、難工事を手がけた吉田勘兵衛、新田の完成、開港から近代都市への歩みなど、これまでの歴史が9つの構成で紹介されている。
干拓前は、現在の日枝神社=山王町=付近を頂点とした釣鐘型の入海だった横浜の中心部。その入海には大岡川が流れ込んでいた。人口増加により食糧増産が命題となった江戸時代初期に、この入海を干拓し新田開発することになる。そこで江戸の石材木商だった勘兵衛が中心となって1656年7月に工事を開始し、1667年に完成させた。
吉田新田は、現在のJR線のあたりまでで、入海の約8割にあたる。そのほかにも、中華街あたりは横浜新田、横浜スタジアムや市庁舎付近は太田屋新田として別に干拓された。
その後、江戸末期の開港にあたり、海の近くから水田は埋め立てられ、町へと姿を変えていく。
企画展を担当する同館の斉藤司主任調査研究員は、港の背後には平らな土地が必要と指摘し「結果論として、吉田新田は開港に適した場所を提供するために陸地として整備された」と解説する。
「祝福機運の醸成に」
勘兵衛が新田の鎮守として建立した日枝神社の角井瑞宮司は「この企画展でふるさと横浜の歴史を広く、深く知っていただき、来年の350年を市民みんなでお祝いしようという機運が盛り上がるきっかけになれば」と期待する。
同館は月曜休館。観覧は一般200円、小中学生100円。
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