▼南区連合町内会長連絡協議会が主催し、地区ごとに住民と区職員らが課題について話し合う「地区懇談会」が5月11日から6月28日まで行われた。懇談会は1969年に始まった南区独自の事業。懇談会で出た意見を地域、行政が今後のまちづくりに役立てていくことが目的だ。今年は16カ所合計で900人以上が参加。町内会館などで約1時間半にわたって、地域側が事前に設定した防災や福祉などのテーマについて、町内会の活動報告を交えながら意見交換をした。
▼今年から、これまで設けていた地域からの要望に行政側が回答する「事前提案」の時間をなくし、2〜3個の課題を議論する方式に改めた。事前提案で出されていた要望は、ごみの出し方への指導を求めるものなど、いつでも受け付けられるものばかりであるため、項目から外れた。確かに、要望は日常的に行政側が受け付けるものだが、懇談会の場で出すことによって、地域が抱えている課題に対して行政がどのような考えを持っているのかが分かるという利点もあった。懇談会内ではなくても、地域の要望に対し、行政の考え方を分かりやすく、直接的に伝える機会を増やすべきではないか。
▼議論する課題が複数になったことで、話し合いが深まらず、時間切れになる場面も多かった。結果として、議論というより、各町内会や団体の「活動報告」にとどまった印象もある。日ごろは聞く機会が少ないほかの町内会の活動を知る意義もあるが、報告を受けて、課題に対してどのような行動ができるのかまで踏み込めるようにしたい。
▼1つの部屋に数十人が集まる中では意見が出しづらいという状況もある。その中で南永田・山王台地区は、16地区で唯一、7〜8人の少人数で話し合う「グループ討議」の形式を採用。参加者全員に発言してもらうことが目的で、互いの話を聞きながら、課題の災害に対する備えについて活発に意見交換していた。参加意識が高まるこの形式は、ほかの地区でも参考になるだろう。新方式になり、地域側にも戸惑いがあったと聞く。急には難しいかも知れないが、各地域の課題、活動が多くの住民に伝わった上で議論が交わされ、次の行動につながるような懇談会の運営に期待したい。
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