横浜市は食べ残しなど、食べられるのに廃棄される「食品ロス」の削減を2017年度の重点施策として取り組む。ロス発生の実情を調査するのと同時に食品を大切にする文化の醸成も進めていく方針だ。
食品ロスは食べ残しのほか、食べきれずに捨ててしまう「手つかず食品」、野菜の皮を厚くむき過ぎる「過剰除去」などで、その量は国の統計によると年間約632万トンに上る。
横浜市でも14年度で約8万7千トンが食品ロスとなっており、市民1人あたり約23kg、金額に換算すると約1万7千円分の食料を捨てている計算になる。食品ロスは生ごみの約4割と推計され、市は資源の有効活用や環境負荷への配慮を目的に、広報や啓発活動に取り組み、食品ロスを減らしたい考えだ。
一方、食品ロス削減に対して今までは「食の大切さ」や「もったいない」といった価値観に働きかけてきた。市資源循環局は新規事業として予算100万円をかけ、消費者の購買・消費行動等を分析し、食品ロス発生の過程や原因の調査などを行い、対策を進める。
飲食店に協力仰ぐ
事業者の食品ロスを減らす取り組みも強化する。事業者による食品ロス発生量は明らかになっていないが、年間に発生する市のごみ総量の約3割が事業系ごみであることから、相当量があると考えられている。
特に力を入れるのが飲食店への周知。市は12年度から小盛りメニューや持ち帰りなどに対応する飲食店を「食べきり協力店」として認定。3月31日時点で708店が利用可能な店として登録しており、南区内には78店ある。市内には飲食店や宿泊業が約1万5千店あり、同局は登録件数を増やしたいが、料理の量をサービスとして営業している店など、食品ロスに対する考え方はさまざまで、あくまで個別に登録を呼びかけるほかなく、難しい面もある。
食べきり協力店に登録している青葉区の和食料理店は、1人客のためにハーフサイズを用意。オーナーは「1人で無理して食べる必要がなくなる」と話し、残されてしまうよりも気分がいいと話す。
同局は「食べきり協力店の知名度を上げると同時に、食べ残しをしないような文化醸成をしていきたい」と話している。
南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|