市立南中学校のシンボルとも言えるアジサイの手入れを行う地域住民らによる団体「南中あじさい咲かせ隊」が環境活動に功績があったとして、今年度の「横浜環境活動賞」を受賞した。学校だけでは管理が難しいアジサイを生徒と一緒に育て、校外にも緑を広げる活動が評価された。
同賞は、地域でさまざまな環境活動を行う市民を表彰する制度。今年度は環境にやさしいまちづくりに取り組む10団体が選ばれた。南区からの受賞は「咲かせ隊」のみ。アジサイを栽培していた同校生徒の組織「アジサイクラブ」も2012年に同賞を受賞している。
学校の依頼受け
同校では、04年から校内でアジサイの栽培を本格化させた。さまざまな色や種類のアジサイが同校の周りに咲き誇り、周辺を通る人の目を楽しませている。
手入れは演芸部の生徒らが行ってきたが、部員の減少や担当教諭の異動などもあり、学校だけで管理するのが難しくなってきた。13年に学校側が同校学区の六ツ川、井土ヶ谷、南永田山王台、本大岡各地区の住民に協力を求めたところ、数人が名乗りを上げて「咲かせ隊」が作られた。
現在は15人が「隊員」として活動。毎週金曜日の午後に同校に集まり、雑草を抜いたり、手入れをしている。園芸部の生徒が活動できない土、日曜日にも水やりなどをする。アジサイは50種類500株以上あり、シーズンの今は校内だけでなく、周辺の京急線の線路沿いの土手に植えたアジサイも手入れする。校内ではタマネギやジャガイモなども育てている。昨年の同校70周年の際は、花苗を配布するなど、地域や家庭にも緑を広げる活動を行う。
人材も育てる
代表の山之城金三さんは「アジサイを育てる人を育てていこうというつもりで活動してきた。今回の受賞は誇りに思う」と話す。副代表の中島一雄さんは「活動するようになってから、学校周辺のごみが減った」と話し、校外にも良い影響を与えている。
同校の西嘉之校長は「咲かせ隊のみなさんは、細やかなところにも目を配ってもらえている」と感謝する。
山之城さんは「咲かせ隊のメンバーを増やしながら活動を続けたい」と話し、受賞を契機にさらに大きな花を咲かそうとしている。
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