南消防団の団長を4月から務める有賀和彦さん(66)=人物風土記で紹介=が春の褒章で藍綬褒章を受章した。また、この春まで団長を務めていた涌井正夫さん(72)も瑞宝単光章を受章。近年は団員増加が顕著なことなどで全国から注目を集める南消防団の新旧団長が同時に栄誉を手にした。
褒章は社会奉仕活動への貢献や商業の実績などをたたえるもので、今回は全国で682人が受章した。有賀さんは公共への貢献を表彰する藍綬褒章を受章した。
有賀さんは中島町で生まれ、家業の洋装店で働きながら、27歳で南消防団の前身の一つである大岡消防団に入団。2010年に寿、大岡の両消防団が統合して南消防団が誕生してからは、本部長を2年、副団長を8年務め、4月に4代目の団長に就任した。
就任早々の栄誉に「感無量」という。団は12年に395人の定員に対する充足率が6割台に低下。団員不足が深刻だったが、事業所や女性、学生への呼び掛けを強化したことで、18年に初めて充足率100%を達成。今年4月1日時点で市内20消防団のうち、100%は南消防団だけ。最近2年は団員増加が顕著だとして総務大臣から感謝状が贈られている。
新型コロナウイルスの影響で団の訓練ができない状況だが「地域やOBの方からアドバイスをいただきながら活動していきたい」と前を向く。
組織強化に尽力
勲章は全国で4181人が受章。瑞宝単光章は公務などで貢献した人に贈られる。
涌井さんは23歳で寿消防団に入った。12年から有賀さんとともに副団長になり、18年に団長に就いた。異なる2つの団が統合した直後は苦労も多かったが、組織固めに尽力。団員増強も自ら事業所に足を運ぶなど先頭に立って取り組み、充足率100%を実現させた。
すでに、13年春に藍綬褒章を受章。瑞宝単光章は涌井さんの前に団長を務めた河野正敏さんが19年春に受章したのに続くもの。自身の受章に「河野さんが昨年だったので、今年だとは思っていなかった」と驚く。
団員の人数は揃ったが、それを維持していくことが課題。「団員の家族や職場にも活動を理解してもらえるよう、OBとしてサポートしていきたい」と語り、有賀さんらの後ろ盾として今後も南消防団を支えていく。
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