新型コロナウイルスの影響で生活が困難なひとり親家庭を支援しようと、横浜市はフードバンク団体と連携して、食品を提供する取り組み「ぱくサポ」を8月から始めた。8月19日には大岡地区センターでも開かれる予定で、来年3月まで市内各地で提供会を開いていく。
ぱくサポはコロナ禍に対応するためのもので、市は約1950万円の事業費を確保。市内に暮らすひとり親世帯の人に、地区センターや地域ケアプラザで食品を提供する。申込制で、定員は1回60世帯を予定。8月は10カ所で行い、9月以降は16カ所程度に増やし、月に約1000世帯を支援する想定だ。
配る食品は、家庭で消費されない食べ物を募るフードバンク団体から提供された米や缶詰など約2〜3kgの予定。提供会に訪れることで、食品ロス削減に貢献できる仕組み。市こども家庭課の職員は「全てのひとり親世帯に届けられる数量ではないが、今まさに困っている人たちに活用してもらえれば」という。8月1日の第1回提供会を訪れた、港北区の50代女性は「食べ盛りの高校生が2人いるので助かる」と喜んでいた。
支援団体に切実な声
2015年の国勢調査によると、市内のひとり親世帯は約2万6400世帯で、母子家庭が約86%。17年の市調査では母子家庭の就業率は約86%と高く、パート・アルバイト、契約・派遣社員などの「非正規職員」が半数を占めた。
ぱくサポを受託する一般財団法人横浜市母子寡婦福祉会=神奈川区=の有村浩子常務理事は「コロナの影響で収入が無くなり、とても困っているご家庭がある」と話す。休校や緊急事態宣言に伴い、子どもが学校に通えなかったり、預かってもらえずに休職などを余儀なくされたケースがあるという。「明日食べる物が無い」という切実な声も寄せられた。
ぱくサポについて「提供会が各区を回るため、近場で利用できる点が大きい」と説明。一方で、福祉会のメールマガジン登録者は約3500人と、全てのひとり親世帯に知らせることが難しいという。市では福祉会のほか、ひとり親支援に関わる区の部署や支援団体と連携しながら、事業を周知していく考えだ。
南区では8月19日午前に大岡地区センターで提供会がある。事前に福祉会のサイト(http://www.zaibosi.org/ )から申し込む。問い合わせは福祉会【電話】045・947・4625。
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