市立六つ川小学校(山口慶校長)の3、4年生が総合学習の中で相次いで学校周辺の魅力を発信する取り組みを行った。学習の成果として、絵本や公園の樹木板を作るなどしている。学校側は地域への愛着が深まることや周囲を広い視野で見られることを期待する。
3年2組の28人は新型コロナウイルスの影響で地元にいる時間が増えた人に六ツ川の魅力を再発見してもらおうと、自分たちが調べたまちの良さを絵本を通して発信することを決めた。
物語は赤鉛筆の主人公「もみじくん」が六ツ川一丁目公園などの地元を駆け巡る内容で、自然豊かなまちが生き生きと描かれている。制作には、南区在住の絵本作家・相野谷由起さんがアドバイザーとして参加。子どもたちの意見を尊重した上で助言した。
B6判で100冊を作り、一部は地域に配布。2月上旬、学校そばの南警察署大池交番にも日ごろ感謝の気持ちを込めて絵本を届けた。受け取った署員は「まちがリアルに表現されていて驚いた。子どもたちの期待に応えられるように、南区から犯罪を減らしたい」と話した。
大川浩美教諭は「児童が話し合いを重ねる中でチームワークが高まったのでは」と振り返った。
坂の効果を検証
4年1組はコロナ禍でも「自分たちのことを応援してくれる人に感謝の気持ちを表したい」と「ハッピープロジェクト」として、まちの良さを見つけ、発信することを決めた。
クラスをチームに分けて、複数の取り組みを進めた。学校周辺に坂が多いことに着目したチームは、当初、歩くのに苦労する坂を否定的にとらえていた。しかし、坂を歩くことで足腰が鍛えられ、体力向上につながっているのではという仮説を立てた。反復横跳びを通学路に坂道がある児童とそうでない児童で比較した結果、坂のある児童の方が回数が多いことなどが分かった。こうした結果を「坂の大切さ」としてまとめた。
活動を知った南区保健活動推進員会会長の中村雅一さんは「自分たちで調べてまとめられたことが素晴らしい」と児童の行動力に驚いた。当初、児童は中村さんを学校に招いて、坂と健康づくりの話を聞く予定だったが、コロナ禍で断念。代わりに発表をまとめたものを中村さんに渡した。
児童はほかにも、公園の木に樹名板を取り付けるなどした。担任の本井麻美教諭は「子どもの視野が広がり、日ごろの授業からいろいろなことに気が付けるようになった」と話し、児童の成長につながったという。
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