南区は高齢者が要介護状態になっても、地域で暮らし続けられるよう、医療や介護、生活支援の仕組みを連携させる「横浜型地域包括ケアシステム」の構築へ向け、区の現状や課題を踏まえた行動指針を3月下旬に策定した。介護予防、認知症対策など、5分野の具体的な取り組みを示した。区は今後、指針を柱に各団体と連携してシステムの構築を進める。
高齢化に伴う医療や介護の需要が高まることが予想されるため、国は2025年をめどに、地域包括ケアシステムの構築を推進している。市全体では昨年3月に行動指針が示されており、今回策定されたのは、その南区版。区役所や関係団体が目指す方向性を共有することを目的にしている。
策定へ向け、区内8カ所の地域包括支援センターで会議を開き、住民や医療、介護関係者の意見を聞いた。ほかの区は、医療や介護関係者と区だけで指針を決めているが、南区は昨年11月に素案を公表し、区民意見を募集して決定。担当の区高齢・障害支援課によると、約20件の意見が寄せられた。同時に公募で「ずっと一緒にこの街で 未来へつなごう 南の風」というスローガンも決めた。
指針では、南区民の平均自立期間(健康寿命)が市平均よりも短く、2025年に高齢化率が3割を超えることが予測されることを踏まえ、▽介護予防・健康づくり▽生活支援の充実▽在宅医療・介護連携▽介護▽認知症対策――の5分野を重点的に取り組むとした。
健康的な生活へ
まず、健康的に生活できるように、介護予防・健康づくりを充実させるため、セミナーの実施や定年前後の男性向けの健康講座の開催、日ごろの地域活動に介護予防の視点を取り入れてもらえるように働きかけるなどの取り組みを進めるとした。
南区の要介護認定者割合が市平均の17・4%より高い19・6%であることから、地域包括支援センターなどと連携した相談体制を周知・充実させることを目指す。同課は「重篤化してから介護保険を申請する人が見受けられる」とし、支援体制を整備していく。さらに、介護者を支えるネットワーク作りを支援することも掲げた。
区は指針を詳細に紹介した約20ページの冊子と概要版を作成し、施設などで配布する。同課は「区と社会福祉協議会、地域ケアプラザがそれぞれの役割を果たしながら、情報共有や連携強化に努めていく」としている。
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