子どもと大人が食事や遊びを通して交流を図るこども食堂「コドイチ」が4月14日、睦地域ケアプラザで初めて開かれた。今後、第2土曜日に開催する。これにより、堀ノ内睦町地区では、毎週土曜日に週替わりで4団体がこども食堂を開設することになった。主催者らは、子どもの居場所作りと同時に食堂運営を支える地域の担い手発掘が進んだことを成果としている。
ケアプラ・施設で
同ケアプラザは「子どもが中心の楽しめる居場所を作りたい」として、こども食堂の担い手を探していた。地域に呼び掛けた結果、昨年1月、主婦らの有志がグループ「わいわい食堂」を結成。同ケアプラザを使い、毎月第3土曜日にこども食堂を始めた。同所を活動拠点にしていた障害者当事者団体「たんぽぽクラブ」も第4土曜日に「たんぽぽカレー食堂」を開設。近隣の生活保護受給者更生施設「民衆館」でも、7月から第1土曜日に「てのひら食堂」を始めた。同館と母子生活支援施設「睦ハイム」などが取り組む。
「空白」となった第2土曜日の主催者を探していたところ、子どもの宿泊体験活動などを行うNPO法人「みんなの海山交流学校」が名乗りを上げた。同法人は2016年まで弘明寺商店街そばに活動拠点を持ち、一時はこども食堂を開いていた。建物老朽化のために拠点を閉じたが、食堂再開を模索していた。
米を融通
初回には約40人が参加。ほかの週の食堂に来ていた子どもも多く、用意したテーブルが満席になった。ほかの3カ所と同様に正午に始まり、参加費は子ども100円、大人300円。
予定では、タケノコご飯を作る予定だったが、炊飯がうまくいかず、「わいわい食堂」が持っていた米を借り、トラブルを乗り切った。「コドイチ」を訪れていた「わいわい食堂」の西村末子さんは「困った時はお互い様」と申し出を快諾した。
食事後は折り紙やカードゲームで楽しんだ。同法人代表理事の安部慶太郎さんは「常に誰かが来られる場所にしたい」という。2人の子どもと訪れた主婦は「子どもも私も食堂で知り合いができた。毎週、食堂に来るのが楽しみ」という。
当初から各団体の食堂開設を支援してきた同ケアプラザ地域活動交流コーディネーターの森博昭さんは「週によって来ている子どもが異なる。それぞれの食堂の良さを感じてもらいたい」と話す。
担い手発掘に
「わいわい食堂」は11人で始まったが、今では担い手が倍に増えた。森さんは「地域の力を大きくすることができた」と成果を感じている。
各団体は、少額の参加費や寄付で運営を賄っており、安定的な開催が目標となる。その上で森さんは同ケアプラザが管轄する蒔田地区でも食堂の開設を目指す。「担い手が生まれ、居場所が必要な子どもに提供できれば」と抱負を述べた。
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