市立井土ヶ谷小学校(堤達俊校長)がこのほど、公益財団法人日産財団が設立した「理科教育賞」を受賞し、財団から賞金50万円が贈られた。同校が進めてきた、児童が主体性を持って学ぶ方針や理科教育の新しい実践モデルなどが評価された。
同賞は理科を通して、子どもたちに科学的な思考を養ってもらうことや教師の指導力向上を目的に同財団が設立したもの。母体の日産自動車が工場を置く神奈川県や福岡県などの学校に、2004年度から「理科教育助成」を実施している。
今回の賞は15年度に助成対象校に選ばれ、16年度までの2年間の取り組みを終えた神奈川、福岡、栃木、福島県の31校の中から選んだもの。同校は最優秀の「大賞」は逃したものの、3校が選ばれる理科教育賞(優秀賞)を受賞した。同校の受賞は13年(理科教育賞)、16年(大賞)に続いて3回目となる。
児童に主体性
同校は04年度から生活科と理科の授業研究に重点を置き、自然との出会いを重視した授業を展開。自分で問いを持ち、納得のいく答えにたどり着くまで、問いと学びを続ける子どもを育てる授業を実践している。
09年から理数科が専門の市立サイエンスフロンティア高校=鶴見区=と連携し、児童が高校生と生物観察をするなど、交流を続ける。「自然を読み解く力」を育てるための授業法が注目され、昨年11月の生活科と理科の授業研究発表会には全国から教諭や文部科学省の関係者が集まった。
今回は「自然を読み解く力を育てる表現と学び合い」をテーマに児童主体の学びをさらに重視。「表現は自分の考えを認識したり、他者とコミュニケーションを図る強力なツール」と位置付け、理科だけにとどまらない教育を進めた。理科的な要素である「マクロなつながり」と、児童同士の学び合いから生じる「ミクロなつながり」の視点を分析・整理する教育法を同財団は「理科教育の新しい実践モデルを提示した」と高く評価した。
受賞を受け、同校研究部はフェイスブックの中で「更なる校内研究の推進を進めていきたいと思います」とコメント。今年度は「マクロ・ミクロの視点による表現の活用」をテーマに研究を進めている。
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