お三の宮日枝神社近くの吉野町の住民らが中心になったお囃子団体「吉野町囃子連」の活動が続いている。数多くのみこしが出ることで有名な秋の例大祭がありながら、これまで吉野町にはお囃子団体がなく、設立者は「この場所に根付かせたい」と語り、正月も各地で演奏を行う。
囃子連は2015年に吉野町町内会の会長でもある松井清志さん=人物風土記で紹介=が立ち上げたもの。松井さんは14年から中区の「美喜屋獅子舞工房」が開くお囃子教室に習い始めた。講師の美濃口喜久雄さんから「お囃子がない祭りは寂しい」と言われ、松井さんが教室に通う仲間らに呼び掛けて9人で囃子連を作った。日枝神社の氏子地域である寿東部地区には複数のお囃子団体があるが、神社のあるお三の宮地区にお囃子はなかった。
メンバーのほとんどが楽器演奏の経験がない素人ばかり。教室に加え、吉野町町内会館でも練習し、16年秋の例大祭で”デビュー”を果たした。みこしの先導役を務めたが「失敗ばかりだった」と松井さんはほろ苦い思い出を振り返る。その後も練習を重ね、小中学生を含む10人で活動。例大祭に加え、大みそかから元日にかけて、日枝神社で演奏するほか、依頼を受けて施設で披露することも増えてきた。
再びにぎわいを
メンバーは「子どものころ、日枝神社のまつりの時はお囃子や太鼓の音で目が覚めた」という。松井さんも「まつりの日は学校が休みで、お菓子がもらえて、嬉しいことしかなかった」と約60年前のにぎわいを思い出す。「町内会が神社の近くにあるのだから、まつりをにぎやかにしたい」と話す。お囃子が加わったことで、例大祭のみこしの注目度も上がったという。
1月3日は日枝小学校の向かいにある町内会館の前で演奏予定。6日も近隣町内会の餅つき大会に出向いて盛り上げる。日枝小の児童も学習の一環としてお囃子に取り組む動きも出ている。松井さんは「お囃子を伝統として根付かせたい」と今後もメンバーを増やしながら活動を続けていく。
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