相鉄線星川駅南側に広がる商店街「星和会」(平田繁会長)が維持・管理する街路灯が撤去されることが決まった。経年劣化が著しく倒壊の恐れもあることに加え、商店街の会員数減少、維持・管理を担う人材の高齢化、後継者難などが理由。大門通りを中心に60年近くにわたり地域を照らしてきたその歴史に幕が降ろされる。
昨年9月に九州地方を中心に大きな被害が出た台風に伴う強風で、星川一丁目公園付近に設置されていた星和会が維持・管理する街路灯1基が損壊した。幸い歩行者や建物に対する被害はなかったが、老朽化が進んでいることが判明。同時期に設置されたほかの街路灯も同様の被害が発生する可能性が判明した。
60年間地域照らす
同商店街周辺ではかつて工場が数多く操業していたこともあり、50店舗ほどが加盟する賑やかな商店街だったという。60年ほど前、市内で街路灯が設置されていた商店街は数少なかった時代に、各店が8万円ほどを拠出しそれぞれの店の前に街路灯を設置した。
現在、設置されているのは丸い傘が付き懐かしさを感じさせるタイプで、行政からの補助を受けながら1990年に更新されたもの。「初代」の時代から60年近くに渡り星川駅南側地域の夜道を照らし、住民に安全・安心を提供してきた。
加盟店負担増会員の高齢化
街路灯は華やかさや賑わいを演出すると同時に夜間の防犯を担う設備として商店街が独自に維持・管理している。近年、商店街加盟店数は減少傾向にあり、維持を断念し撤去する商店街が市内でも増えてきている。
星和会でも「2代目」に改修された1990年頃には40店舗ほどあった加盟店は半減。各店の負担金が増え、5年ほど前には電気代が上がったこともあり、「赤字」での維持・管理を余儀なくされた。その後、市から補助金を受けているが、会員の高齢化などもあり、今回の決定に至った。
「ひとつの時代の終わり」
「事故があってからでは大変なこと。ひとつの時代が終わるという寂しさもあるけれど、仕方がない」。そう話す商店街の会長を務めている平田さんは、賑やかだった60年前の光景も鮮明だ。「当時は少しいいものを買いに行くと言えば藤棚商店街(西区)。ここには街路灯があって憧れの風景だった。それが自分の地域にも設置されたことが誇らしくてね」と懐かしむ。
星川一丁目自治会の藤澤守会長も幼少期からこの地に暮らすひとりだ。「工場も多く、桜ケ丘方面からも商店街に多くの住民が来ていた。ぼんぼり型の街路灯は風情があっていい雰囲気なんだけどね」と役目を終える街路灯に目を向けた。
25日から工事
地域内を照らしてきた街路灯24基は今春までに撤去されることになる。これに先立ち、25日から道路灯4基・防犯灯3基を新設する工事が始まる予定だ。
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