西谷駅周辺での清掃活動が2000日目を迎える 藤田 佳宏さん 旭区川島町在住 71歳
「根競べ」の日々、自らの力に
○…現在の清掃場所は、建設会社に勤めていた現役時から通勤ルートで使用していた道。愛着ある道と地域からゴミをなくそうと、休むことなく2000日もの期間、毎朝外でゴミ拾いを続けてきた。活動当初、清掃場所を通りかかる人々の理解、賛同を得られないことも多く「どうせ続かないよ」という声。「止めようと思った時もあった。とにかく根競べだった」と、苦悩の日々を振り返る。
○…「自分で決めたことだから」と、頑なな信念が継続すること選んだ。自身が考える長続きの秘訣は、小さな事でも目標を持つこと。ゴミを拾う際使用する万能バサミを「どうしたら上手に操れて(ゴミを)うまく取れるのか試行錯誤していました」と笑う。今では「子ども達が『おじさんハサミ使うのうまいね』って言ってくれるんです」と嬉しそうな表情をみせる。
○…神奈川区三ツ沢出身。幼い頃は終戦直後とあり「焼け跡だらけだったけど、かくれんぼ等をして走り回っていたね」と話す。高校卒業後、当時は分区前で、保土ケ谷区だった現在の住まいへと転居。半世紀以上を過ごす地元の印象は「歴史的な魅力がたくさんある場所」と笑顔をみせる。そのことを後世にも伝えようと、有志の市民団体「ほどがや・えかたりーべ」に所属し、地元に伝わる民話や昔話を紙芝居に。幼稚園や老人ホーム等で出張上演も行っている。
○…清掃の継続が力となり「5年間一度も風邪をひいていないですよ」とも。昔は体調を崩しやすかったというが「健康面にもいいのかな」と笑顔をみせる。変化したのは自身だけではない。通りすがる人が次第に声を掛けてくるように。「初めは軽い挨拶。それが『有難う』という感謝に。励みになるね」。照れくさそうな表情を浮かべながらもハサミを動かす手が止まることはない。今朝も明日の朝も、周囲の激励を力に変えて一人きりの清掃は街と人の心も綺麗にしていく。
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