中区の映画館ジャック&ベティで9月26日に新作「お盆の弟」が公開される映画監督 大崎 章さん 保土ケ谷町在住 54歳
一途に撮り続ける
○…映画を1本撮った後、次回作が決まらない映画監督が、妻から別居を切り出され、地元群馬でがんの手術をした兄の看病をしつつ、再起を図る姿を描いた物語「お盆の弟」が9月末に中区の映画館ジャック&ベティで公開される。主人公の崖っぷちの映画監督は自分自身。「横浜は住んで10年程経つので、公開されるのは嬉しい」と話す。
○…「お盆の弟」の撮影舞台にもなった群馬県玉村町生まれ。高校卒業後に進学したジャーナリストを育成する専門学校で、講師として登壇した元NHKディレクターの龍村仁氏の世界観に引き込まれた。20歳の時、弟子入りを志願しアシスタントとして3年半、ドキュメンタリー番組の制作などに携わった。1年目の月給は5万円。親からの支援を受けながらの生活だったが、映像制作のノウハウを無我夢中で吸収した。「収入や安定よりも、自分が興味のある仕事がしたかった」
○…映像制作の世界に飛び込んだものの人間関係で悩み、ドロップアウトしフリーターとして当てもなく彷徨った時期も。無気力に過ごしていた青年は26歳のある日、東映のディレクターと知り合い、藁にも縋る思いで「助監督をできませんか」と嘆願。再び映像制作の世界に戻った。テレビドラマの助監督を務めた後、竹中直人監督作品『無能の人』で助監督を務めたことを機に映画の世界に飛び込んだ。06年に初めてメガホンをとった作品「キャッチボール屋」を公開した。
○…15年前、兄の看病のため保土ケ谷へ。「殺風景で何もない町」。当初、抱いたこの街の印象は趣味だという町歩きで一変した。いつしか「人情溢れるこの町の良さを生かした作品を」。横浜・保土ケ谷を舞台にした作品に思いを馳せる。「人に助けられてきた。仕事も人生も人とのつながりがすべて。人が好きだから映画を作っている」。座右の銘である「人はひとつながり」を胸に、3作目に向けて思いを巡らす。
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