6月に紙ヒコーキ大会を主催する保土ケ谷区青少年指導員協議会の会長を務める 白石 勝己さん 桜ケ丘在住 69歳
「やってみっか」で30有余年
○…「横浜市内では保土ケ谷だけなんですよ。滞空時間を競う単純な競技ですけど、子どもたちの目は真剣そのものでね」。大会の立ち上げから携わり、今年21年目を迎える「保土ケ谷区手作り紙ヒコーキ大会」への思いを語るその姿は孫に優しい眼差しを向ける「おじいちゃん」といった具合。「5、6年生の部の優勝記録は8秒35、3、4年生の部はね」。手帳をペラペラとめくる。
○…西区内で生まれ、小学4年生の頃、桜ケ丘に移り住んで以来、この地で60年を過ごす。幼少期はベーゴマに面子、野球に興じた昭和の男の子。自身を「何でもかじるが、長続きはしないタイプ」というが、若い頃にはゴルフにボーリング、車と当時の若者は流行には敏感だった。乗り継いだ車はスカイラインに三菱デボネア、トヨタ2000GT…、「結婚するまでだったけどね」。10年で10台を優に超える。
○…高校を卒業し相鉄に入社。営業畑を歩んできた。27歳で結婚し3人の子に恵まれた。30代半ばに差し掛かったころ、地元の自治会長から地域の子どもたちの健全な育成活動を推進する青少年指導員への推薦を受けた。指導員の役割を「全く知らなかった」というが、「やってみっか」と始めた活動は30年を超えた。指導員の活動の多くは休日と重なる場合多い。「家族の理解があったから、こんなに長く続けて来れた。面と向かっては言えないけど、ありがたい」。ピシッと整えられた白髪に手をやり、少し照れくさそうに話す。
○…「表で遊んでる子が少なくなったよ。子どもの声が聞こえないもの。最近の子どもたちは忙しいからな」。時代とはいえ、桜ケ丘の野山をフィールドに駆け回っていた昭和の男の子からすれば、この現状は寂しさが募る。「子どもたちが目一杯遊べる機会を提供できれば」。区内で活動する170人の仲間と共に、思案する日々は子どもたちのためにある。
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