「保土ケ谷古文書の会」の会長を務める 小久江 清治さん 仏向町在住 80歳
謙虚にこつこつ学ぶ
○…区の広報をきっかけとして15年前に発足した「保土ケ谷古文書の会」に通い、10年ほど前から会長を務めている。「いきなり『会長をやってくれ』と言われてやりはじめたんけど」と当時を苦笑いしながら振り返るが、「謙虚な人柄だけども、ここぞという時にはしっかりとみんなをまとめてくれているんだよ」と会員からの信頼は厚い。
○…仏向町生まれ。幼少期は朝から夜まで農作業や雨の日は笠や蓑を編む手伝いを行ってきた。内気な少年だったが、高校時代に弁論大会で上位に輝いたことが「自信になった」と話し、約1300人を前にクラスメートの応援演説をしたことも。高校卒業後、靴を扱う会社に就職、長年営業畑を歩んできた。「入社して間もなく営業のノウハウについていろいろ勉強したことで、粘り強く、相手の気持ちを考えることもできた。これらの経験が会をまとめることにも活きていますね」と話す。
○…趣味は読書。「リュックを背負って古本屋に行って文庫本や小説を買ってきては読む」と笑顔で話す。山岡荘八や藤沢周平といった時代小説だけでなく、現代作家にも注目し、特に「阿部智里さんの『八咫烏シリーズ』はストーリーがよく考えられて面白いんだよ」と一つひとつ丁寧に話す姿に誠実さをうかがわせる。特技である書道は六段の腕前を誇る。それでも「高校から始めて通信教育で学んできただけだよ」と謙虚だ。
○…「書道をやっていて古文書もすぐに読めるようになると思ったが、そうはいかなかった。そこからのめりこんでいった」と今では県立公文書館の古文書講座などにも参加し、積極的に学び続けている。「古文書を学ぶことで、現代と通じるところがたくさんある」と魅力を語る。「ただ、『古文書』という名前はイメージが固いから、この際何か親しみやすい名前にできないものかな」と優しい瞳で今後の会の活動を見据えつつ、課題も話した。
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