5年前の就任以来、躍進を続ける保土ケ谷高校陸上部の顧問を務める 竹内 俊樹さん 川島町在勤 31歳
「努力は嘘をつかない」
○…「陸上が好きな生徒に公立高校でも本気で取り組める環境を整えたい」。5年前に保土ケ谷高校に赴任し陸上部の顧問に就いて以来、毎年、県大会を勝ち抜く選手を輩出。今月、開催される関東大会には今年は3種目で出場する。種を蒔き、水をやり、開いた花の数は年々増えている。
○…前任校での実績を引っさげ、「3年で結果を」と意気込んでスタートラインに立つも、最初の練習に姿を見せたのは2人。厳しい現実を突きつけられた。「数年後、強い陸上部となる礎を作ろう」と呼びかけ、「努力の大切さ」を切々と伝えた。その年の秋には1人が関東大会に出場。「中学時代に成績を残せていなくても努力次第で花は開く。そんな成功体験がその後の人生に自信を生む」。強い信念を感じさせる。
○…指導の根幹にあるのは自身の経験だ。野球少年だったがベンチで声を出す日々を過ごす。中学1年時のクラス担任が発した言葉が少年の心に響いた。「努力は嘘をつかない」。陸上部に所属し「努力」を積み重ねた集大成の大会で、1秒たりなかったが県大会出場権獲得に迫る走りを見せた。高校時代の恩師は全国レベルの選手を数多く育てた陸上界の名伯楽。「選手としては難しい。良い指導者をめざせ」と背中を押された。「野球も陸上も才能はなかった。だからこそ努力の大切さは誰よりもわかる」
○…妻と昨夏生まれた息子の3人暮らし。練習に大会にと週末も家を空けることが多い。「妻の理解があるからこそ」。前をしっかりと見て話すそれまでの姿とは違い、照れ臭そうに口にしたその一言に重みを感じさせる。5年前の春、「3年で結果を」と新たに船出した陸上部はいま、県内でも公立の雄として一目置かれる存在となった。
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