認知症、地域で見守りを 支援者養成講座広がる
鶴見市場地域ケアプラザは3月25日、認知症への理解を深めてもらおうと、京浜急行電鉄株式会社の駅長を対象に、「認知症サポーター養成講座」を横浜駅構内で開いた。認知症の人が電車で遠くまで行ってしまうなどのケースが増えていることから、ケアプラザが企画。毎年施設の鉄道イベントに協力していた京急に依頼し実現した。
当日は駅長約20人が参加し、認知症の基本的な知識や、患者の見分け方、対応方法などを学んだ。
参加した京急久里浜駅の小川博幸さんは、「対応に困った経験もあったので、学んだ知識を駅員と共有したい」と語る。
地域から開催希望も
認知症サポーター養成講座は、受講者に認知症について正しく理解し患者を見守る支援者になってもらうもの。
厚生労働省は、2005年から認知症を知るキャンペーンを実施しており、講座はその一環。「認知症サポーター100万人キャラバン」として各地で実施されており、サポーターは全国で300万人を超える(12年6月末現在)。
市内のキャラバンの事務局である市民セクターよこはまによれば、区内でも、地域ケアプラザや、自治会、学校を中心に講座が開催されている。12年4月から13年2月末までの最新の統計では、期間中29回の講座が開催され、918人が受講。地域からの開催要請もあるという。
「認知症患者は増えている。地域で支え、見守るためには講座は重要」と担当者は話す。
増える患者
市の介護保険事業計画によれば、区内の65歳以上は、約5万1千人(12年3月)。区の統計では、認知症高齢者は4990人(12年3月)で、区内高齢者の約1割を占める。
区内を中心に認知症の在宅介護の相談などを受けている(社団)認知症在宅介護支援協会の藤田伸一さんは、「すごいペースではないけれど、患者が増えている体感はある」という。
厚生労働省の推計では、認知症高齢者は12年の305万人から25年には1・5倍の470万人に増えるとされ、地域での生活支援を強化していく方針を明らかにしている。
市場地域ケアプラザの佐藤雄哉さんは、「これからは福祉関係者だけでは手が足りなくなっていくと思う。地域全体で支える土台を作っていかなければいけない。今後もバスやタクシー会社、新聞販売店などでもサポーター養成講座を開催し、地域の理解を広め、手助けできる人を増やしていきたい」と話していた。
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