「君たち、ひもじくない?これを食べなさい」――。スタジオジブリの最新作『風立ちぬ』の作中、主人公が購入する菓子「シベリア」。戦後までは一般的な商品だったが、製造に時間がかかることなどから、現在も取り扱っている店舗は少ない。そんなシベリアを変わらずに作り続けるパン屋が寺谷にある。創業63年の老舗「枡屋ベーカリー」=寺谷1の11の21=だ。
シベリアはようかんをカステラで挟んだ菓子の名称。「真ん中を通るようかんをシベリア鉄道に、カステラ生地を黄土に見立てている」と話すのは増渕源社長(76)だ。同店は、「昔は5時間かかった」というシベリアを今も手作りで製造している。
増渕さんは、「うちに来ればシベリアなんていつでもあるから、この辺の人にとっては珍しくないんじゃないかな」と笑う。
遠方からの客も
『風立ちぬ』公開後、利用客の中には、探し求めて遠方から訪れる人もいるという。作品を2回観たという男性は「シベリアが鶴見にあってよかった。仲間に教えてあげないと」と喜んでいた。
「友だちにと買っていく人もいる。作っていておもしろいよ」と増渕さん。同店のシベリアは、区が認定した「つるみみやげ」にも選ばれている逸品。作品同様、鶴見のシベリアにも注目が集まる。
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