横浜市はこのほど、鶴見中学校を含め、現在市内に5校ある夜間学級を来年4月から蒔田中学校(南区)1校に再編する方針を示した。生徒のコミュニケーション能力育成や学習内容の充実が目的としている。
市内の夜間学級は、「義務教育未修了者に中学校教育課程を履修させ、卒業資格を与えること」を目的とし、現在は市内5校(鶴見・西・仲尾台・蒔田・浦島丘)に設置されている。
夜間学級には今年度、計15人が通うが、2校(西・浦島丘)が生徒ゼロの閉級状態だ。また、義務教育未修了者よりも、外国籍の子どもたちが学歴を得るために通う傾向が強くなっており、15人中10人が外国籍という。鶴見中でも、夜間に通う5人のうち4人が外国籍で、「ここ数年、日本人は一人」と話す。
市教委によると再編・統合は、生徒数の減少や外国籍生徒への日本語理解など、課題解決のためとする。生徒数を増やし、コミュニケーション能力の育成や、専任教師を配置することで学力向上を図る考えだ。
鶴見中の内田伊佐夫校長は、「統合後の形がはっきりしていないが、専任になることでもっと深い教育が進められることを期待したい」と語る。
反対の声も
一方、市の突然の方針発表に対し、市民団体からは反対の声も出ている。
「神奈川・ヨコハマの夜間中学を考える会」(三階泰子代表)は、国の統計を基に夜間学級の対象者を試算。市内には約2万人いると推計する。三階さんは「長年、専任教諭を置かず、夜間学級周知のPRも不足していた。減少の原因を作りながら、少ないから統合し効果を上げるというのはおかしい。実態調査を先にすべき」と憤る。
市教委はあす11日の定例会で今後の方針を決定する予定。同会は「決定しても反対していく」としている。
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