穏やかな表情で語る岩瀨さん
横浜市はこのほど、技能功労者・優秀技能者表彰を行い、区内から合わせて６人が受賞した。技能功労は満60歳以上の市内在住者で、30年以上同一業種に従事し顕著な功績を収めた人を表彰するもの。前号に続き、顔ぶれを紹介する。
何でもやる左官屋さん
左官業に就く岩瀨輝政さん（61）は、祖父の代から百年以上続く「岩瀨工業所」＝浜町＝の３代目。18歳から父のもとで修業をはじめ、27歳で看板を背負うことに。今は亡き師の背中を、「破天荒だった」と笑みを浮かべながら振り返る。
モットーは「来た仕事は何でもやる」。幅広い仕事を請け負うことの多い左官業だからこそ、顧客の要望には真摯に向き合ってきた。
何より楽しかったのが、「下請け同士の横のつながり。大工、畳、ペンキ屋なんか異業種で集まって飲んだりくだらない話で盛り上がったり」とニンマリ笑う。
「職人はみんなそうだけど、満足してしまうと進歩が無い。定年はないんだから、できる限りやりたい」。和風住宅の需要が減少する厳しい時代にも、職人気質はぶれることはない。
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