新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月末にサルビアホールで行われるはずだった寺尾中学校・影絵部の初の制作展が中止になった。卒業した3年生にとって最後の発表の場だっただけに、生徒らは肩を落とす。
伝統の部
市内で唯一の影絵部。創立は古く、昭和時代には既に存在したという伝統ある部だ。卒業した3年生も含めると部員は60人。校内で3番目に部員数が多い程の人気ぶり。
影絵は、一般に切り絵のこと。同部では、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)という文字や図表をスクリーンに映し出すOA機器を使って投影するため、影絵と呼ぶ。20世紀を支えたプレゼンツールである貴重なOHPによる温かい光が作品を引き立てる。
一瞬に一年
メインとなる発表の場は同校の文化祭である「ふじづか祭」。発表時間は長くて12〜13秒。その一瞬で印象に残る作品を作るため、生徒たちは約1年かけて制作に励む。作品は、黒い紙の上に図案をのせ、デザインカッターと呼ばれる細い刃で線を切って作り上げる。一度間違えると、また一から切り直さなければならない根気のいる作業だ。タイトルも生徒らのセンスが光る。顧問の松永絵梨奈教諭は「虎の絵に虎と題名をつけても面白くない。しっかり考えるよう指導している」と話す。
広く知って
「地域の人に活動を広めたい」という思いでサルビアホールと一緒に企画した制作展。ふじづか祭の際に流したDVD上映や、生徒による切り絵体験会も予定していた。卒業した3年生で部長の井上柚歩さんは「楽しみにしていたので残念。感動をもっと多くの人に知ってほしい」とした。
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