身近なもので昆虫創作 本物求め18年
男性の手の上で羽を休めている2頭の蝶。今にも飛んでいってしまいそうに見えるが、本物ではない。二頭はストローとクリアファイルでできた作り物だ。
作ったのは、南区在住の鈴木光男さん(62)。身の回りにある材料を使い昆虫を本物そっくりに作る達人だ。趣味として制作し、鶴見に会社勤めをしていた縁で、鶴見区民文化祭などに約8年前から作品を出品している。
実物じっくり観察し制作
虫作りのきっかけは、息子に昆虫を飼いたいとせがまれたこと。「生きている虫は好きじゃなかったので、これで我慢しなさいというつもりで作り始めた」
もともと工作好きだったという鈴木さん。「形が整うまでがおもしろい」と、約18年作り続けている。
常に追求しているのは、本物らしさ。形や大きさ、質感にいたるまで、なるべく本物に近づけるために、できるかぎり実物を見て観察するという。
昨年78年ぶりにブータンで確認された「ブータンシボリアゲハ」を作った際も、一般公開された東京大学まで足を運んだ。「羽根の裏側まで見たくて、ガラスケースに入った蝶を夢中でのぞいていたら、関係者に2度注意されてしまった」と苦笑いする。
「触ってみてほしい」
昨年は知人の勧めで北海道の函館で作品展を開いた。「見に来てくれた人は『本物は苦手だけど、これなら触れます』と言ってくれた。展示に飾ってある物は、普通は触らないでくださいというものが多いけれど、私の作品は触ってみてほしい」
鈴木さんの作品は、現在シークレイン内の鶴見中央コミュニティハウスで見ることができる。
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