鶴見消防署(下枝昌司署長)は、今年8月と9月に発生した2件の救助活動事例で人命救助に尽力したとして、区民計6人に感謝状、消防団員2人に表彰状をそれぞれ授与した。5日と6日に同署で贈呈式があった。
連携し命救う
8月の事例は、下末吉6丁目で発生。区民2人が歩行中に倒れた30代男性を救命した。
第一発見者で119番通報したのは、近くに住む主婦の野澤綾乃さん。「どうしていいかわからなかった。初めての119番で手が震えた」と振り返る。
野澤さんが通報後に戻ると、男性は一度起き上がったもののすぐに意識を失ったため、状況が変わったことを知らせようと2回目の119番のため自宅へ。この時に通りかかった会社員の猪口康生さんが救助に参加。夏休み、娘との散歩中という偶然だった。
「最初、酔っ払いかと思って近づいたら、顔が青く、唇の色も違って。考えるよりすぐに手が出た」と猪口さん。高校時代、救命講習認定のため、授業で胸骨圧迫などを習っていたという。
携帯電話に切り替え、管制員と通話しながら戻った野澤さんも猪口さんと協力。救急隊到着後、AEDなどにより男性は一命を取りとめた。下枝署長は、「まさに救命の連鎖。2人が同時にいなかったら救えなかった」と謝辞を送った。
橋上の男性支える
9月の事例は、響橋で発生。欄干外側にいた高齢男性を区民4人と消防団員2人で支え、救助に協力した。
最初に発見したのは会社員の渡辺まゆみさん。いたずらかと近づくと、高齢男性であることに気づき、一人じゃ支えられないと判断。「大人の男性を」と、近くのパソコン塾に飛び込み、講師の橋口由裕さんに助けを求めた。
橋口さんは「足元を見たら、ほんのわずかしかなく、手を離したらと想像した」とし、暴れないように話しかけながら腕をつかみ続けたという。
さらに、通りかかった会社員の田中尊大さんが協力し、交代した渡辺さんが110番通報。近所に住み、駆け付けた会社員の大賀英治さんが119番通報した。
いずれも第八分団所属の消防団員、前田陽介さんと柳澤亘さんは、119番通報時に送られる一斉メールで現場に急行した。それぞれ落ちたらどうなるかが頭をよぎったと口を揃え、最終的にはみんなで支えるような状況だったという。
橋から下を走る国道1号線までは10m以上あり、「落下していたら二次被害の可能性もあった。本当に感謝したい」と同署は謝意を示した。
鶴見区版のローカルニュース最新6件
能登半島地震 横浜市の募金額は5528万円4月30日 |
|
|
|
|
|
|
<PR>