精神疾患を持つ人を抱える家族会連合会「あやめ会」の理事長に今春就任した 長加部(おさかべ) 賢一さん 中原区在住 67歳
「家族愛」で寄り添い続け
○…今や4人に1人が発症するといわれている統合失調症やパニック障害などの精神疾患。その当事者や、生活を共にする家族が安心して暮らせる社会の実現に向けて活動している家族の連合会。「周囲に理解されない悩みを打ち明け、気軽に交流できる場でありたい」と思いを込める。心の支えとなることを目指し、「話すことで先の見えない不安から解放され、前を向くことができる」と呼び掛ける。
○…学生時代にサークルで知り合った妻は34歳で精神疾患を発症した。通院により回復を見せたが50歳を過ぎて再発。仕事人間として働き詰めだったことを理由に、家族と向き合わなかった自身を責めた。好きだった酒はそれから一滴も飲まず、娘の結婚式でも口にしなかった。2011年、同連合会に参加。昨年2月には精神保健福祉士の資格を取得し、同じ境遇の家族らを支えるために活動を続ける。
○…群馬県出身。山に囲まれた地で鍛えられた足腰を生かし、趣味で始めたフルマラソンはこれまで66回完走。今年の東京マラソンは4時間3分の好タイムで走った。平日は二ヶ領用水、週末は多摩川の土手を走り、季節を感じる瞬間が癒やし。「今でも自己ベストを出すことが目標。走ることでリフレッシュしているのかな」と笑う。
○…「彼女の病気がきっかけで人生をやり直せたような気がする。相手を受け止め、共感し合える大切さを教えられたことに感謝したい」。毎朝5時に起きて妻が目覚める前に仕事を片付け、食事を作る。花好きな妻とフラワーアレンジメントをしたり、一緒に習字を書いたりする時間が何よりも楽しい。中原区に暮らし約35年。娘の保育園時代に父親らと結成した「おやじの会」など、心安らぐ交流も続ける。
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5月17日
5月10日