政治用語の基礎知識 寄稿 集団的自衛権 前神奈川県議会議員 徳安 ひさよし
集団的自衛権は、「内容」と「手続き論」が区分なく取り上げられるため、混乱しがちです。まず内容を見ましょう。集団的自衛権を【1】認める、【2】一切認めない。【1】認める場合でも、㋐欧米並みに認める、㋑内容を制限して認める。制限についても様々あり、地理的に限定する、武力行使の内容などがあります。今話題となりつつあるのが、領土内という地理的限定論です。
手続きの問題
手続き論は、憲法9条の関係から、【1】憲法改正を前提とする、【2】憲法解釈の変更で可能という対立軸があります。組み合わせの誤解によって、集団的自衛権を認めるが「憲法改正が必要」という方々がいることを忘れてはいけません。
「憲法解釈の変更」も2通りあり、㋐総理大臣が旗を振れば可能、㋑社会で共通認識・秩序となっていることを国が後追いで追認する。㋑は、時代は変遷するものであり、最高規範である硬性的な憲法を時代と整合させるというものです。
最後に、現在問われている内容は集団的自衛権の範囲外で対処可能という考えです。【1】個別的自衛権と警察権の拡大で対処できる。【2】そもそも憲法9条の想定範囲の考えであり、9条を解りやすくするため、憲法に一文書き加えるという考えも聞かれます。
「集団的自衛権」がリスクの高い言葉遊びとならないよう、十分な議論が必要です。
徳安久是
中原区市ノ坪66-5
TEL:044-722-3036
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