市政報告vol.99 崖の変動観測を全市に拡大。狭あい道路の解消を。 川崎市議会議員 末永 直
1.崖の変動観測実施
9月22日の決算審査特別委員会まちづくり分科会で質問しました。中原区にも井田山を中心として土砂災害警戒区域等に指定されている崖地があります。令和4年度、崖の変動観測実施委託料として1159万円余が支出。地表面の傾斜30度以上、5m以上の崖及びその上下の土地を観測の対象としています。
この崖の変動観測実施委託料は、日本電気株式会社と令和4年2月に締結した協定に基づき、3か年で試行的に衛星SARによる観測及び解析を行い、地盤の変動状況を抽出してきました。 以前、私が議会質問で衛星の観測範囲について井田山周辺も入れるよう要望しました。当初、北部のみの範囲しか観測しない方針でしたが、今回、崖の観測範囲について伺ったところ、担当課長は「市内全ての土砂災害警戒区域が対象となるように、範囲を設定した」とのことで、要望が実現しました。
しかしながら、今年の9月、多摩区の長尾で擁壁が崩れ、住宅の土台がむき出しになりました。当該地は崖の衛星観測範囲内です。「なぜ崖崩れの兆候等が本市に知らされないのか。ただ単に観測しているだけならなんの意味もない」と強く追及しました。今後は活かされるよう期待します。
2.狭あい道路対策
9月27日のまちづくり分科会で狭あい道路について質問しました。市内の狭あい道路解消は遅々として進んでいません。令和2年公布の土地基本法の改正により、地籍調査の円滑化・迅速化等を通じた情報基盤整備にむけて、探索しても所有者の所在が不明な場合等には、筆界案の公告等により調査を進め、地籍図を作成できるようになりました。
法改正後の取組を質問したところ、「令和2年度から昨年度までに1700名の情報を取得。土地所有者が不在の場合の筆界案の公告による調査は9件。現地立会が困難な土地所有者の郵送による調査は6件。地籍調査の実施面積は0・43平方キロメートル」との答弁でした。現在までで進捗率は11・6%程度です。
また、災害対策の充実策としての地籍調査の推進も必要となります。今後の目標について「境界標の亡失の可能性が高い津波による浸水被害が想定される川崎区で実施すること。今年度から令和7年度までに0・76平方キロメートル調査を実施する」との答弁が出ました。神奈川県土地家屋調査士会等と連携し、着実な進捗を図るべきだと考えます。
|
|
|
|
|
|
11月29日