鎌倉 人物風土記
公開日:2016.07.01
鎌倉市議会議長に就任した
中澤 克之さん
二階堂在住 50歳
「新たな発想で議会運営」
○…鎌倉市議会議長にこのほど就任した。議員2期目での大役に「今は責任の重さを痛感しているところ。副議長と連携を深めながら、運営していきたい」と意気込む。「議会も変わるべき時。他の市町村議会とも交流を深めながら、必要だと思ったものはどんどん取り入れていく」と議会改革にも意欲を見せる。
○…出身は群馬県渋川市。大学卒業後、鎌倉に居を構えた。証券会社や設備会社に勤めた後、温泉の掘削から設計、運営までを手がけるコンサルタントとして独立し、全国を飛び回った。結婚して二女を設けたが離婚し、男手一つで娘たちを育ててきた。「地域の人たちがサポートしてくれて、なんとか子育てができた」と振り返るが、ひとり親家庭だからこそ、行政施策の不備を感じる場面も多かったという。「鎌倉をより住みやすいまちにして、支えてくれた人たちに恩返ししたい」と2009年の鎌倉市議選に立候補し、初当選。防災対策などにも力を入れてきた。
○…市政の問題を追及する舌鋒の鋭さは周囲も認めるところ。昨年の9月定例会では、期限切れワクチンの接種や白紙請求書の使用など、市の不適切な事務処理を次々と明らかにした。市役所では生活保護費の盗難が発覚するなどその後も不祥事が続いており、市民から厳しい視線が注がれている。「失った信頼を回復するために議会として何ができるか、しっかり考えていく。職員がプライドを持って働ける職場づくりにも取り組みたい」と語る。
○…幕末の志士と鎌倉との関わりなど、鎌倉時代以外の「埋もれた」歴史の調査を続けている。今年は「東洋のシンドラー」と呼ばれ、鎌倉で生涯を終えた杉原千畝の没後30年となることから、その生涯にスポットを当てたいという。「様々な歴史的遺産を掘り起こせば、もっと面白いまちづくりができる」。新たな魅力の発見と発信を、今後も続けていく考えだ。
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