神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
鎌倉版 公開:2021年7月23日 エリアトップへ

鎌倉のとっておき 〈第116回〉 武士の魂、鎌倉に宿る

公開:2021年7月23日

  • X
  • LINE
  • hatena
山村氏製作の刀剣
山村氏製作の刀剣

 刀(剣)といえば、天皇家に伝わる「三種の神器(じんぎ)」の中の「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」がよく知られるが、「武士の魂」といわれた日本刀の名刀「正宗」は、鎌倉生まれの芸術的な逸品である。

 刀剣は、古墳時代(3〜6世紀)の墳墓からも数多く出土しているが、当時の刀剣は、武器であるとともに、装飾品としての位置づけも色濃かったようだ。

 平安後期から鎌倉期にかけては、貴族から武士の世へと変革する中、戦(いくさ)の形も馬に乗りながら弓で射合う騎射戦から、徒歩にて戦う徒戦(かちいくさ)へと移行し、武器としての刀剣の需要は大いに高まっていった。

 こうした中、鎌倉幕府は、山城国(京都府)などから刀工を招き、刀剣づくりに力を注いだため、鎌倉は刀剣の一大生産地となった。特に、鎌倉期末の刀工、五郎入道正宗は、鎌倉で地鉄(じがね)(刀身の素地)の美しい「相州伝」という作風を完成(「正宗」を製作)させた名工だった。

 また、刀剣づくりには、良質な原材料(鉄)が必要だが、日本の渚百選にも選ばれた七里ヶ浜は、砂鉄を多く含んだ砂浜であることから、この渚が鎌倉の刀剣づくりを支えたのではないかともいわれている。

 現在、五郎入道正宗から数えて24代目の山村氏は、鎌倉期からの伝統芸術を継承し、古(いにしえ)より「先を切り開く」といわれる刀剣や包丁などの刃物や鉄工芸品を「正宗工芸」として世に送り出し、その作品は多くの人々に愛されている。  石塚裕之
 

鎌倉版のコラム最新6

浄智寺の「魅力」

鎌倉のとっておき 〈第161回〉

浄智寺の「魅力」

4月12日

かまくら花めぐり(妙法寺(大町))

鎌倉のとっておき 〈第160回〉

かまくら花めぐり(妙法寺(大町))

3月29日

鎌倉サクラ穴場スポット

鎌倉のとっておき 〈第159回〉

鎌倉サクラ穴場スポット

3月22日

「長尾定景と岡崎義実」

鎌倉のとっておき 〈第158回〉

「長尾定景と岡崎義実」

3月1日

かまくら花めぐり(青蓮寺)

鎌倉のとっておき 〈第157回〉

かまくら花めぐり(青蓮寺)

2月23日

かまくら花めぐり(荏柄天神社)

鎌倉のとっておき 〈第156回〉

かまくら花めぐり(荏柄天神社)

2月2日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月22日0:00更新

  • 8月20日0:00更新

  • 7月16日0:00更新

鎌倉版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月5日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook