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鎌倉のとっておき 〈第120回〉 源頼朝の妻、政子のほかにも

掲載号:2021年10月8日号

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2人が愛を語った音無(神社)の森(伊東市)
2人が愛を語った音無(神社)の森(伊東市)

 源頼朝の妻といえば、初代執権の北条時政の子で義時の姉、北条政子だが、実は、頼朝には政子との結婚以前にも妻とした女性がいた。それは、頼朝が配流された伊豆の豪族、伊東祐親(すけちか)の娘、八重姫であった。

 八重姫の父祐親は、配流中の頼朝の監視役であった。祐親は、当時の武士が交代制で勤めていた大番役として、京における御所等の警護の任務を終え、伊豆に帰ってきたある日のこと、妻から八重姫が頼朝と恋に落ちて子(千鶴丸)を設けたとの話を聞いた。

 祐親は「源氏の流人を婿にして平氏(平清盛)からお咎(とが)めを受けては大変なことだ」と激怒し、孫でもあった千鶴丸を簀(す)巻きにして川に投げ入れてしまった。そして、頼朝から八重姫を取り返し、改めて姫を別の武士に嫁(とつ)がせたのだという。

 さらに祐親は頼朝を亡き者にしようとするが、祐親の次男、祐清(すけきよ)がそのことを頼朝に知らせたことから、頼朝は伊豆山権現へと逃れ、後に北条時政の館に入ったという。

 一方、その後も頼朝を慕っていた八重姫は、館を密かに抜け出し、頼朝のいる北条氏の館を訪れたが、既に頼朝は政子と恋仲になっていた。こうして元の館にも戻れなくなった八重姫は、川に身を投げたのだという。

 2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、八重姫を新垣結衣が演じる。頼朝との悲恋をどのように表現してくれるのか今から楽しみである。  石塚裕之

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