神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
足柄版 公開:2016年3月5日 エリアトップへ

山北町鉄道公園のD52復活事業を担う 恒松 孝仁さん 山北町山北在住 60歳

公開:2016年3月5日

  • X
  • LINE
  • hatena

SLにとりつかれた男

 ○…120年の歴史を持つ鉄道の町、山北町で進む「D52奇跡の復活」事業で、蒸気機関車(SL)の再生を託された。昨年末からの車両整備で、山北町鉄道公園にたたずむSLに新たな命を吹き込む。この仕事のために”真田丸”の舞台でもある群馬県沼田市から山北に住み込み、妻と助手の3人で作業にあたる。油まみれの日々は間もなく3カ月。今月末の納期へ向け、いよいよ大詰めを迎える。

 ○…「これは無類の極上品ですよ」とその保存状態に太鼓判を押す。機関車を動かすための作業は大半が部品の手入れ。その数は千を超える。「これだけのもの。ある意味仕方ない。だいぶ持ってかれちゃっていますよ」。名機ならではの数奇なエピソードもどこか誇らしげに聴こえる。「国内最大のD52が動くとなれば、そりゃあ全国から人が訪れます。それだけの代物ですから気合も入りますよ」と力が入る。

 ○…1955(昭和30)年、長野市生まれ。同市南部、篠ノ井の土手で蒸気機関車D51を見るのが幼い頃からの日課だった。「白い軍手の機関士がこっちを見ながら汽笛を鳴らしてくれた」。それが決定打となり、8歳で機関士になると決めた。「そりゃもう、SLにとりつかれていますから、高校へ行っていたらSLの廃止に間に合わないですから、15で試験を受けるんだと早くから決めていました」

 ○…中3の秋に満を持して国鉄を受験。翌春に庫内助手になった。機関助手を経て憧れの機関士になったのはSL廃止の1年前、まさにどんぴしゃりで夢をかなえた。1987(昭和62)年の分割民営化を前に依願退職したが2002年に憧れが再燃。独学で考案した圧縮空気によるSLの動態化に成功し、以来、全国5か所で「SL再生請負人」として実績を積んだ。思い出の場所は「上野駅16番線ホーム」。若かりし頃、列車を待つ初対面の奥さんに住所を聞いたのがその場所だった。乗務中の一目惚れだったのだとか。

足柄版の人物風土記最新6

山崎 美恵子さん

山北ジュニアコーラスの代表として子どもたちの指導にあたる

山崎 美恵子さん

山北町山北在住 67歳

5月18日

本間 裕章さん

松田町大名行列保存会の役員として積極的に地域文化の伝承に努める

本間 裕章さん

大井町上大井在住 68歳

5月11日

石井 彰次さん

山北高校野球部に復刻ユニを寄贈するOB会の会長を務める

石井 彰次さん

湯河原町在住 59歳

5月4日

井上 三史さん

創立30周年を迎える開成町パークゴルフ協会の会長を務める

井上 三史さん

開成町吉田島在住 72歳

4月27日

小島 賢次さん

6月に初の写真教室を開く南足柄市写真協会の会長を務める

小島 賢次さん

南足柄市和田河原在住 71歳

4月20日

遠藤 克也さん

松田警察署の署長に就任した

遠藤 克也さん

松田町在住 59歳

4月13日

あっとほーむデスク

  • 5月18日0:00更新

  • 5月11日0:00更新

  • 5月4日0:00更新

足柄版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月18日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook