「希望」求めた魂の舞台 ウガンダの児童聖歌隊が聴衆魅了
アフリカの貧困地域からオーディションで選ばれた子どもたちによる児童聖歌隊「アフリカンチルドレンズクワイヤー」が9月14日、ビナウォーク内でミニコンサートを開いた。初の日本ツアーの一環で、子どもたちの全身を使った歌と踊りのパフォーマンスにショッピング客らが足を止め、涙する人もいた。
この日ステージに立った8歳から11歳の子どもたち18人の出身地ウガンダ共和国は、アフリカ東部の内陸部に位置する。北部地域では20年以上にわたり政府と反政府勢力が戦闘を繰り広げ、子どもたちが兵士として武器を手にするケースも多いという。
このような国勢の中で、子どもたちはまともに食事を口にすることもできず、教育を受けることもできない状態が続き「負の連鎖」を生み出している。
5万2千人に教育機会提供
1977年にアフリカを訪れたカナダ人人権活動家レイ・バーネットは貧困と飢餓、差別と病気、暴力に苦しむ人々の姿を目にし「アフリカを変える鍵は教育にある。子どもたちに『世界』を見させることで次世代のリーダーを育てよう」と1984年にクワイヤーを創設。これまでに5万2千人を超える子どもたちに教育を受ける機会を提供し、巣立った子どもたちは弁護士や技術者、医師などさまざまな分野で活躍している。
「大統領になりたい」ティモシーくん
子どもたちに教育の機会を提供すると同時にオーディションで選ばれた子どもたちで組織する聖歌隊は、世界各国でステージに立ってきた。
これまでにも有名アーティストとの共演のほか、昨年はエリザベス女王の戴冠60周年を記念した公式ソングにも参加し、祝賀コンサートでも歌声を披露した。
今回、ビナウォークで舞台に立った子どもたちはアメリカやイギリス、カナダでのツアーを経て日本へ9月上旬に来日。14日のステージではアフリカンミュージックを中心に8曲を披露した。
ステージ終盤、18人の子どもたちは、パイロットや医者、看護師などそれぞれ自身の夢を語った。観衆を前に「ぼくはウガンダのプレジデント(大統領)になりたい」と目を輝かしたティモシーくん(9)は、「貧困をなくしたい。道路を舗装して事故をなくしたい。多くの人が学校に行けるようにしたい。そのために勉強を頑張る」と話した。
子どもたちのステージを最前列で見守った国分北に暮らす瀧本さち子さん(64)は目に涙をためながら「素晴らしい舞台。子どもたちの懸命な姿にとても感動した」と話した。
一行は県内を中心に歌声を披露した後、18日からは東日本大震災の被災地を訪問している。
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