神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
港北区版 公開:2013年1月24日 エリアトップへ

サイパン島での戦争体験記を出版した 栗原 茂夫さん 高田西在住 77歳

公開:2013年1月24日

  • LINE
  • hatena

若い世代へ戦争伝える

 ○…太平洋戦争中の1944年、大きな戦禍を被ったサイパン島。同島で生まれ育った自らの目で見た戦争体験を、通っていたパソコン教室の講座をきっかけにインターネット上で公開。反響を呼んだこともあり、このほど「少年の戦争体験」としてまとめた。体験を語ろうと思った発端は、母が亡くなる直前に生涯を綴った手記を読んだことによる。ページの最後に「あとは茂夫が」と、執筆の続きを促す言葉があり、引き継ぐことになった。「本になるとは思ってもいませんでした。周囲の方の協力で出版できました」と感謝をこめる。

 ○…1930年代、両親は開拓移民としてサイパン島へ。戦争の状況が悪化し、氏が9歳で空襲が始まると、難を逃れるため洞窟に身を寄せた。その際、食料調達へ出かけた父親を失った。その後、一家は米兵に連行され、抑留。飢えと渇きの中、栄養失調で幼い弟2人も失った。手記にはこうした極限の状況が克明に書かれている。「日本へ戻る時、6人家族は3人になっていました。それでも、私はまだ地獄を見たわけではないんです。もっと辛い経験をした人はたくさんいる。戦争とはそういうものなんでしょう」

 ○…戦後の生活も楽ではなかった。教師になるため大学に通いながら働き、勉強は二の次だった。「大人になってからも戦時中の夢をよく見ました」。小中学生を中心に体験を伝えるようになり、自然と悪夢から解放されたという。「戦争の話をする時、子どもは家族を失うことに一番反応する。幸せが奪われるのを、身に置き換えるからでしょう」

 ○…文章の公開後、感想が届くほか、出版の際に受けた新聞の取材記事を見た読者との交流もあった。現在、国内の状況が変わり様々な動きが起こりつつある中、若い世代を気がかりに思う。「判断は人の自由。だが、判断を下せるだけの事実を知り、知識を得てほしい」。これからも戦争の体験を伝える活動は続く。
 

妙蓮寺

家族葬から社葬まで。緑に包まれた静かな境内には、3つの斎場を備えております。

https://myorenji.jp

<PR>

港北区版の人物風土記最新6

竹下 幸紀さん

今春、港北区長に就任した

竹下 幸紀さん

55歳

5月2日

冨田 育子さん

4月1日付で港北図書館長に就任した

冨田 育子さん

鶴見区在住 57歳

4月25日

内田 大恵さん

横浜市港北区仏教会の会長として活動する

内田 大恵さん

日吉本町在住 56歳

4月18日

小谷田 作夫さん

八杉神社郷土史研究会の代表として八杉神社の歴史を紐解く

小谷田 作夫さん

大豆戸町在住 77歳

4月11日

池本 三郎さん

樹木医として、4月14日に県立青少年センターで行われる講演会に登壇する

池本 三郎さん

箕輪町在住 85歳

4月4日

RINAさん

歓成院観音会館で4月13日に「声明」とコラボしたジャズコンサートをひらく

RINAさん

埼玉県所沢市在住

3月28日

意見広告・議会報告政治の村

  • 支援員の謝金が倍に

    公明党市議団の要望がカタチに 市政報告

    支援員の謝金が倍に

    横浜市会議員 望月やすひろ

    4月25日

あっとほーむデスク

  • 4月20日0:00更新

  • 2月18日0:00更新

  • 6月25日0:00更新

港北区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

戦後の横浜 写真資料でたどるサイト

戦後の横浜 写真資料でたどるサイト

4月27日から都市発展記念館が公開

4月27日~5月31日

港北区版のイベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年5月3日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook