「大綱こみゅに亭」を主催し、落語を地域で披露する 山内啓巳(ひろし)さん(太尾亭狸久(たのきゅう)) 大倉山在住 73歳
誰かになりきり人をつなぐ
○…大綱中学コミュニティハウスで、無料で落語や手品が楽しめる「大綱こみゅに亭」を主催し、自身も”落語家”として舞台にあがる。昨年から同施設で落語を始め、今年からは自主事業として2月、6月、10月の年3回の定期開催が決まるなど、勢いを見せる。「大倉山周辺にはそんなに地域の人たちが集まる場所がない。落語を楽しみながら、気軽に集まれる機会になれば」と意気込む。
○…定年退職後の2004年に「第二の人生」として、東京の「楽笑会」に所属し、幼少時代から親しんでいた落語を始めた。大学時代は”落研”に所属し、ラジオ出演も果たした本格派だ。出身は広島県。会社員時代は転勤族で、日本国内を転々とし、”太尾亭狸久”の由来となった太尾町(現・大倉山)に住み始めたのは99年。「いつかは地元で活動し、親しみたいという気持ちが芸名につながったと思います」。手品を披露する妻の都紫子さんと一緒にボランティアとしてケアプラザなどで講演を行う。区の「まちの先生」にも登録し、神奈川小学校で落語を教えることも。「その子が落語に興味を持ってくれて、家族で講演を見に来てくれた。とても嬉しかったね」と笑顔を見せる。
○…小学生の時は内弁慶でおとなしかったという。「国語の朗読では、自分では絶対手をあげないけれど、指名されれば一番上手だった」と笑う。学芸会の劇でも常に先生から主役に抜擢されていた。「認めてもらえていたんだと思う。引っ込み思案だったけれど、誰かになりきったりすることなら、人よりも上手くやれる自信があった」と力強く話す。
○…今では、歩いているとまちの人に声をかけられることも。「大綱こみゅに亭」を定期公演としたことで、より一層のつながりに期待を寄せる。「私たちも他地域から来たので、住民同士の親睦にお役に立てられたら。打ち上げで地元の人たちと飲めるようになったらいいね」
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