ブラインドサッカー日本代表選手として活躍する 落合 啓士(ひろし)さん 日吉出身 39歳
障害者への意識変えたい
○…日本にブラインドサッカーが普及し始めた2003年から日本代表選手として活躍し続け、13年から15年まではキャプテンを任された。その後も最年長プレーヤーとして、2020年の東京パラリンピックに向け練習を重ねる。この3月には4連覇を誇るブラジルチームとの試合が控える。「相手は強豪チームだが、サッカーは何が起こるかわからない。勝つつもりで挑む」と自信に満ちた表情を見せる。
○…同競技は音の鳴るボールを使いゴールを狙うゲーム。ガイドがいること以外はフットサルと同じだ。「聴覚だけのプレーではなく、想像力を働かせることに面白味がある」。元々はサッカー少年で、「キャプテン翼」をきっかけにサッカー選手を目指し、毎晩遅くなるまで練習を続けた。しかし10歳のころ、徐々に目が見えなくなる難病を発症、中学生でサッカーを断念する。その後、様々なスポーツに触れ合う中、25歳でブラインドサッカーと出合う。「スポーツは全部好き。でもサッカーが一番だった」と当時を振り返る。
○…実家は日吉にあるクリーニング店。7人兄弟の末っ子として22歳まで過ごす。腕白坊主だったそうで、怒られては店の前でバケツを持って立たされたという。趣味は料理。「ニンニク料理を振舞うと、妻に臭いといわれる」と笑う。結婚して2年、ダイビングが趣味の妻と沖縄やサイパン、オーストラリアなどの旅行を楽しんでいる。
○…選手として活躍し続ける一方、SNSなどによる情報発信や体験会実施など、普及活動にも力を入れる。代表のキャプテンに選ばれたのも、そんな活動が認められてのこと。将来的には指導者に限定せず、サッカーを通して地域貢献をするのが目標だ。「障害者は『かわいそう』といわれることが多いが、スポーツの力はそうした意識を変えることができる」。サッカーと歩み続ける人生は、これからも続く。
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