県政報告197 「いのち」の重さを考える 県議会議員 はかりや珠江
東日本大震災から8年が過ぎましたが、被災された方々の困難は今も続いています。さらにその後も全国各地で自然災害が発生しており、私たち誰もが「被災者」になる可能性を持っています。大切な命を守るために、まずは自分の家庭や会社の備えを点検しましょう。
今回は社会問題・安全安心推進特別委員会の質疑に関連して「心の健康」について取り上げます。
*職場のメンタルヘルス
4月から新しい職場で働き始める方も多いと思います。やる気いっぱいで臨んでも、慣れない環境でストレスに悩まされることもあるでしょう。大手広告会社の新入社員だった女性が過労自殺した事件は、長時間労働やパワーハラスメントをなくす動きを加速させましたが、過労死対策や職場のメンタルヘルスについては、さらにきめ細かな対応が必要です。
県では、働く人のメンタルヘルスへの関心や理解を促進するため、「中小企業労働改善訪問」や「中小企業労務管理セミナー」を実施しています。しかしセミナー開催は年6回程度。県内の企業数から考えると、拡充が必要です。質疑の中で私は、職場のメンタルヘルス対策の強化に向け一層の努力を求めました。
*働き盛りの男性の苦悩
平成29年の県内の自殺者数は1276人で、ピークの23年から600人減少しています。しかし年代別・男女別にみて最も多いのは、どの年も「50代男性」で、自殺者の半数は、40代〜60代の働く男性が占めています。
職場でも家庭でも重い責任を担う立場だけに、周囲に心配をかけまいと一人で悩みを抱え込み、SOSを出しにくいということもあるのでしょう。
この世代の自殺原因のトップは「健康問題」で、「うつ病」が最多。県には様々な相談窓口がありますが、必要な人に必要な情報を届ける工夫が必要です。サラリーマンの男性がよく利用するコンビニや駅のトイレ等に相談窓口のカードを置く方法もあるでしょう。命を守るため、知恵をしぼるべきです。一人ひとりの「いのち」の重さを思い、各部局が連携して、生きづらさを抱える方々に寄り添い、「生きるための支援」に真剣に取り組んでほしいと思います。
県のHPトップから「相談窓口」で検索をかけると、一覧が表示されます。
*地域の皆様へ
6期24年にわたり、県議会で仕事をさせて頂いて参りましたが、次回の選挙には出馬せず、任期満了となる4月29日をもって引退させて頂く決意を致しました。長年にわたり県政報告をお読み下さった皆様に感謝申し上げます。なお、県政報告は4月も掲載の予定です。
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