県政報告 84 「DV(ドメスティックバイオレンス)」一人で悩まず相談を 県議会議員民主党・かながわクラブはかりや珠江(たまえ)
十一月に入って、急に寒くなったような気がします。お変わりなくお過ごしでしょうか。
今年は、毎月一一日を迎えるごとに、「東日本大震災から何カ月」と被災地に想いをはせた一年でした。そして私たち自身も、命の大切さ、身近にいる家族や友人との絆、あたりまえの日常が、いかに貴重なものであるかを改めて心に刻んだ一年でもあったと思います。
しかし昨今は家庭の中に大きな問題を抱えているケースも多く、その一つに「配偶者からの暴力」があります。今回は、児童虐待とも関わりの深い「DV]について取上げます。
*夫婦喧嘩じゃないの?
「DV」は「ドメスティック・バイオレンス」の略で、「配偶者からの暴力」を指します。「暴力」というと、殴る・蹴るなどの身体的暴力をイメージするかもしれませんが、精神的・経済的なものも含まれます。例えば、人格を否定するような暴言を浴びせる、何を言っても無視をする、生活費を渡さない、交友関係を厳しく監視するなどの行為が繰り返される場合で、被害者の生命や自由が脅かされる危機的な状況です。
*むずかしい現状把握
「DV」は児童虐待と同様、家庭内で行われるため、潜在化しやすく、実際の発生件数を把握することは困難です。県の相談支援センターの相談件数で見ると、平成二二年度は6千件を超えており、一八年度と比べ約1千500件増えています。内閣府の調査では、被害経験があるという人の約3割が女性、約2割が男性でした。女性被害者と同時に、子どもが虐待を受けている例もあります。「家を出ても連れ戻され、さらにひどい目にあうから」「食べていくことが難しいから」と、外部からの援助を断り、暴力におびえながら一緒に暮らし続ける悲惨なケースもあります。また近年は日本人男性と暮らす外国人女性の被害も増えています。
*被害者を支援する仕組み
平成一三年には「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が制定され、これに基づいて、「配偶者暴力相談支援センター」が設置されました。電話や窓口での相談の他、緊急的に暴力から逃れて生活できるよう「一時保護施設」も整備されています。被害者は心身とも大きな傷を負っており、将来の不安も抱えています。経済的自立や子どもと一体となった支援など、NPOや他の機関とも連携しながら、状況に応じたきめ細かい支援ができるよう体制充実を進めています。
また最近は、恋人同士にも「デートDV」と呼ばれる被害が増えています。こうした若い人のDV防止にも力を入れています。
一人で悩んでいてもなかなか解決の糸口はつかめません。是非専門家に相談しましょう。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|