港北警察署長に就任した 久保田 信義さん 新横浜在住 57歳
”技術”を若手に伝えたい
○…9月に港北警察署長に就任した。「すごいとこに来ちゃったなって思ったんです」と笑いながら快活に話す。直前は警備部公安第一課、警察署長は山梨県境の津久井警察署以来だ。33万人が暮らす市内で一番人口の多い港北区へ来て、人と建物の多さに驚いたという。「だからこそやりがいを感じています。明るい職場を作り、区民の信頼に応えたい」
○…警官になって35年。神奈川県警察本部と警察署を異動しながら、キャリアを積み重ねてきた。東日本大震災直後には、警察官を対象としたメンタルヘルス対策を担当し、その後原発事故による節電を受け、県警察本部、警察署などの節電対策を担当した。「手探りの状態でしたね」と振り返る。港北署長となった現在は、地域の人や団体とのつながりを深め、治安維持のために応援を求めることが仕事だ。「振り込め詐欺の被害が県下で上位にあるので、防止対策にも力を注いでいく」と話す。
○…警官になったのはテレビドラマ『太陽にほえろ』がきっかけだった。刑事に憧れ、大学卒業時は警察だけに絞って受験したという。「確かに実際働いてみたらドラマとは違う。でも実はそんな動機付けが大事なんだよね」と笑う。若い人への指示の仕方、フォローを大切にする姿――。影響を受けた先輩からは、言葉でなく背中を見て学んだ。それが後輩への指導にもつながっているという。家族と離れた一人暮らしが続くが、自炊も楽しむ。「健康は大事」と、焼き魚に味噌汁、野菜炒めといった料理が多い。
○…大量採用の世代が定年退職となっていく中、若手にベテランの”技術”を伝えたいという。「若者の新たな知恵も大切にしつつ、教えるべきことをしっかり伝えていきたい」と話す。今後については、「区民の協力があるからこそ警察はやっていける。まだまだ犯罪はなくなりませんが、全力で職務をまっとうしたい」と意気込みを語った。
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