県政報告146 新たながん治療がスタート 県議会議員民主党・かながわクラブ はかりや珠江
県庁のある日本大通りのイチョウもすっかり黄色に染まり、天気の良い日には写生を楽しむ方でにぎわっています。
県議会第3回定例会後半は11月30日から12月22日までの日程で開催。補正予算のほか、諸課題の審議が行われています。
*重粒子線治療棟オープン
12月5日、県立がんセンターの重粒子線治療棟の開棟式典が行われました。県では「がんにならない・負けない いのち輝く神奈川」を掲げ、県立がんセンターの総合整備を進めてきました。その目玉ともいえるのが「i(アイ)-ROCK(ロック)=重粒子線治療施設」です。
日本で5か所目の設置となりますが、がん専門病院併設型としては、「世界初」。がんセンターと一体となることで、がん専門医や医療スタッフがチームとなり、手術や化学療法、重粒子線を含む放射線治療などを組み合わせて、一人ひとりのがん患者さんに最適な治療を提供、万全の医療体制で患者さんをサポートします。
*重粒子線治療とは?
重粒子線治療は放射線治療のひとつで、重粒子線(炭素イオン)を、直径20メートルの加速器で光の速さの70%まで加速。このビームを治療室に送り、体内のがん細胞に照射します。がん細胞を塗り潰すように集中的に攻撃するため、正常な細胞を傷つけにくいのが特徴。手術が困難な病気の方、高齢の方にも可能な身体に負担の少ない治療法です。
*対象となる「がん」は?
がん細胞に強く、患者さんの身体にはやさしい「i-ROCK」ですが、がん治療の万能選手ではありません。治療対象は「1つの部位に留まっている固形のがん」といわれ、例えば脳腫瘍、口やのど、食道、肺、肝臓、すい臓、前立腺、直腸などのがんがあげられます。広範囲に転移のあるがんや、白血病など血液のがんには適さないとのことです。
がんセンターでは、それぞれの患者さんに最もふさわしい治療方法をチームで検討し、十分な説明をし、同意を得たうえで治療法を決定していきます。その選択肢の一つとして難治性がんに効果の高い重粒子線治療が加わったことは、大きな前進です。これから段階的に症例を増やして行くと聞いており、今後に期待したいと思います。
*今後の課題はどこに?
重粒子線治療は、健康保険の対象外であるため治療費はおよそ350万円程度になるといわれています。県議会では、重粒子線治療を望む多くの人が治療を受けられるよう保険適用を求めるなどを内容とした意見書を国に提出。今議会の補正予算案として提出されている「治療費の助成」についても検討を進めます。
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