県政報告【11】 近代美術館の信頼回復を 県議会議員 武田しょう
平成29年第2回定例会が閉会しました。今年度は、文教常任委員会に所属し、子どもたちの輝く未来のために、引き続き、汗を流してまいります。
4月17日、神奈川県が所有している世界的版画家である棟方志功の「宇宙讃(うちゅうさん)」がカラーコピーと入れ替わっていたと発表されました。2014年に県立近代美術館で展示をしていた際、観覧者の指摘でコピーと判明しました。絵を保管していた神奈川芸術文化財団が「倉庫のどこかに版画があるはずだ」と約3年間探し、見つからなかったので今回の発表に至りました。なぜ、観覧者に指摘されるまで学芸員が気付かなかったのか。なぜ、どこかにあるはずだと思い込んでいたのか。謎は深まるばかりです。
神奈川芸術文化財団は県民・スポーツ常任委員会が管轄し、県立近代美術館は文教常任委員会が管轄するという非常に分かりにくい縦割り行政となっています。神奈川芸術文化財団から近代美術館に受け渡されたときに、学芸員が本来すべきチェックシートの確認を怠ったこと、そして展示までの間、版画を額縁に入れたまま管理していたことについては、県民の血税で購入したという意識が薄いと言わざるを得ません。観覧者の指摘以前に学芸員がカラーコピーだと判明できる機会はたくさんありました。
この棟方志功版画紛失事案については、現在、知事部局と教育委員会で調査チームを設置し解明に向け調査を進めていますが、こうした一連の出来事により、近代美術館は県民の信頼を大きく損なったものと考えられ、誠に残念でなりません。近代美術館の信頼回復に向けて、一歩一歩、精進して参りたいと存じます。
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