熊野の森もろおかスタイル代表 肥後 貴美子さん 師岡町在住 56歳
自然と仲間と ともに歩む
○…師岡熊野神社を背に、裏道を進んで行くと現れる恵みの畑。ここが「熊野の森もろおかスタイル」の拠点、「熊スタファーム」だ。自給自足を目指し、野菜の栽培や手作りストーブ、太陽光を利用した食事会などを行っている。メンバーは皆和気あいあいと作業しており、そこに訪れると誰とでも仲良くなってしまうのが不思議。「開放的な空間に、踏み込み過ぎないラフな関係の仲間たち。ちょっとした悩みもポロっと言えちゃう。そんなところです」
○…グラフィックデザイナーとして、ファッション誌のデザインの仕事に就く。27歳で独立し、「若いアーティストが世に出るきっかけを」との思いで、現代美術の新聞を製作。日に日に仕事が増え、忙殺されるにつれて「充実しているけど、このままでいいのかな…」と不安がよぎるようになった。そんな時、仕事で降り立った西表島。そこには、自然とともに生きる人々がいた。「畑仕事に草木染め。彼らの仕事は全て生きることにつながっている。それがとてもカッコよくって」。それから、その土地にある”宝”で地域興しをすることに惹かれて行った。
○…東日本大震災が起きてから、「地域のつながり」と「エコ」を強く意識するように。「震災のなか生き抜くためには、地域のエコを見つめ直し、ネットワークを作っておくことが大切」と、熊スタファームを始めた。メンバーはそれぞれ個性あふれるアイデアを持っており、「一人ひとりの能力を見極めて活動に活かすことが楽しい」と笑う。
○…17年前、師岡町へ。森の中に佇む我が家は、全て木材でできているという。美大生時代に人形劇サークルで出会い、長年連れ添った夫は一番の理解者。いつもそっと背中を押してくれる。熊スタにも参加しており、メンバーからはみんなに優しいと評判だ。熊スタのこれからについてはまだまだ考え中。「みんなで面白がりながら、方向性を定めて行きたい」
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