10周年を迎える親と子のつどいの広場こんぺいとうの施設長を務める 上久保 ふじえさん 日吉本町在住 64歳
子育て見守る 地域の母
○…「金平糖が一粒一粒手間暇かけて生成されるように、ゆっくり子育てを」――。日吉本町に構えて10年。「親と子のつどいの広場こんぺいとう」は、子育て世代の生活の一部としてサポートし続ける。「”日吉の実家”として当たり前のように使ってくれる場所になれたかな」
○…乳幼児を連れたパパママ世代同士が、子の成長を語り合う姿を見守る毎日。「みんなみんな地域の娘や息子、孫だと思っています。とにかくかわいくて仕方ない！」。常に時代に合った子育てを見つけたいという思いが強く、母親たちとの情報共有は欠かさない。イベントなどは利用者が主体となって企画しており、地域住民が積極的に参画できる施設に育っている。「子どもとの時間を過ごすだけでなく、ママ友づくりの場としてもらえれば」
○…自身も日吉で子育てをしていた30年ほど前は、ママ友とつながる場所がなかったという。「仲間が欲しくて色んな場所に出かけました」。その中で出会った人々と子どもの居場所を作りたいという構想が膨み、日吉の丘公園で月１回の集まりを開始。「子ども、そして親が楽しいことをしようという思いでした」。それからも鯛ヶ崎公園や日吉台中コミュニティスクールなど場を拡大し続け、「いつでも遊びに行ける場所」としてこんぺいとう誕生に辿り着いた。
○…「とにかく楽しまなくっちゃ！２、３歳は一日中遊べてじっくり向き合える良い時期よ」と２人の子どもを育てた経験を振り返り、優しく語る。区内でも出生率が高い日吉地区。それだけ子育ての悩みを持つ親たちも多くいるなかで、「育ち方も十人十色」と安心を与える場所でもある。子育てに優しい街にしたい。そう呟く声からは、母のぬくもりがあふれ出ていた。
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