全国で活躍する綱島出身のオカリナ奏者 茨木 智博さん 東京都在住 34歳
音色の会話を楽しむ
○…人々の心を癒して12年。現在は年に80回ほど、全国各地で演奏する。お気に入りのステージは飲食店。「美味しい物を食べながら、演者もお客さんも気軽に楽しめるのが良い」。表現の手段のみならず奏者教育のため、楽譜やＣＤ制作にも力を入れる。どんどん楽しくなってしまうような良い教材を作りたいと、既存品とは一味違った、曲も難易度もバリエーション豊かな作品を組み込むのがこだわり。
○…綱島諏訪神社の防空壕でこっそり遊んでいた少年は考えた。「カッコイイことがしたい！」。そこで手にしたのがトランペット。樽町中で吹奏楽部に入部。上達したい一心で練習に耽り、音大を目指すほどのめり込んでいた。そんな中学時代に、いろんな楽器を吹きたいと集めた一つがオカリナ。音大入学後、ふと掘り起こして息を吹き入れてみると、友人からは喝采が。「トランペットは失敗を恐れるばかり。でもオカリナは自分の声で歌うように体で楽しめていると気付きました」。すぐにプレイヤーとして活躍。現在は２００本以上所持し、秘められた可能性を開拓し続ける。
○…せわしない演奏旅行の合間を縫って食べ歩きをするのが趣味。一番の美食を訪ねると「うーん難しいですね」と困った表情。味だけでなく、地方ならではの非日常感をお店から感じ取るのもまた一興だそう。
○…人と出会うことが活動の原動力。様々な音楽家と互いの音を重ね、生み出されるものを純粋に楽しむのが大切なんだとか。「音にも個性があります。様々な音楽家と合わせることで新しい自分が見つかることも」。ステージも然り。観客によって変わる空気に合わせ、音を乗せていく。一期一会の演奏を楽しむこと、それが彼らしさなのだろう。
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