餌不足で人里に下りてくるために駆除されるクマを助けようと、YМCA東とつか学童クラブに通う児童が山に餌としてまくどんぐりを集め、11月7日に福島県で保護活動に取り組む団体へ送った。
これは、環境カウンセラーとして小中学校などで環境講座を実施している長野富喜子(ふきこ)さん(旭区在住)が個人的に取り組む活動に協力したもの。長野さんの知人で、下校時の見守り活動を通じて小学生とつながりのあった大松正光さん(川上町在住)の呼びかけで昨年初めて実施され、これを覚えていた児童達が「クマがまた困っているのでは」と心配し、今年は自発的に拾い集めたという。
同学童に通う児童79人が9月から下校時や学童の活動中に集めたどんぐりは約20kg。「どんぐりたべてげんきになってね」「おいしいどんぐりをめしあがれ」などクマにあてたメッセージが添えられ、長野さんを介して会津若松市で野生動物保護などを行う一般社団法人「ふくしま いのちの森」が活動を支援する「くまんち」(田勢(たせ)美代子代表)に送られた。
長野さんは5年ほど前に読んだ本で、クマがいなくなると生態系のバランスが崩れて豊かな森が失われることを知り、以来、どんぐりを送る活動を始めた。今回、児童が自ら活動に取り組んだことに「優しい気持ちに涙がでる。これを機に命の重みも知ってもらえるのでは」と話した。
福島県によると、人里に下りてきて人や農作物へ被害を与えることから捕獲処分されたクマは、今年4月から10月で252頭。原因は明確ではないが、昨年の約5倍に上るという。
クマとの共存を目指して電気柵の設置や植林活動も行うくまんちの田勢代表は、「餌が豊富な山の復元には時間がかかる。人里に出てくれば殺処分ということを続ければ、絶滅は避けられない」と危惧していた。
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