創立60周年を迎えた戸塚区剣道連盟会長の 齋藤 節治さん 柏尾町在住 73歳
剣道の精神 次代へ
○…GHQによる剣道の禁止が解かれて数年後、有志によって発足した「戸塚区剣道連盟」が60周年を迎えた。現在は区内の道場や学校、会社の剣道部員ら480人が所属する。「発足当時は警察署や消防署、授産所を借りて練習に励んだと聞いている。諸先生、先輩の精神を受け継ぎ、歴史の重みを真摯に受け止め、次につなげたい」と話す。
○…新潟県長岡市出身。中学2年の頃に剣道と出会った。当時は「試合で勝つことが多くて楽しかった」というが、さすがにその後50年以上も続けるとは予想できなかった。「高校までで辞めるつもりだった。大学で剣道部の主将に勧誘されてしまって、それからは惰性だったね」と笑う。しかし大学で剣を交え、合宿所で寝食を共にした仲間は、今も特別な存在だ。「剣道で出会った人のことを考えると、やっぱり続けきて本当に良かったと思う」
○…結婚、転職を機に、20代半ばで戸塚区へ引っ越し、それからは3つの道場へ日替わりで通い続けた。「1日休むと、自分の腕が落ちるのがわかる。毎日続けてきたのは、そんな不安を取り除くためだったのかもしれない」。一方で、帰宅が遅くなることもしばしば。「こんな生活ができたのは本当に奥さんのおかげだよ」とはにかむ。現在は、長年の経験で得られた知見を後進へと伝えている。「年齢ごとの楽しみ方があるのが剣道。子どもには礼儀を、大人にはケガをしない方法を教えていきたい」と話す。
○…「勝負事だから、勝ち負けは重要なこと。でも、もっと大事なことがある」と話す。「負けた人は反省し、次に生かす。そして勝った人は相手の心境を思いやる。剣道場は、そんな相手を思う精神が養えるところだと思う」。来年3月には、一般の人に武道を体験してもらう「とつか武道フェスティバル」を、他の武道団体とともに開く。「剣道は、何歳から始めてもいい競技。魅力が広がって、競技人口が増えると嬉しい」
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