区総合庁舎3階地産地消直売コーナーの出店者会代表を務める 大木 敏幸さん 戸塚町在住 74歳
消費者の笑顔がやりがい
○…区内の農家を中心に地元の野菜を販売する地産地消直売コーナーを取りまとめる。立地もいいことから購入した人も多いだろう。生産者の立場で野菜の特徴や、食べ方を伝えることも人気の秘密だ。「消費者との会話があることが良い点。『こないだ買ったトマトがおいしかった』などと感想をもらえる瞬間が嬉しいですね」。同コーナーは2013年の新庁舎開設時から始まり、現在7年目。「もっと多くの人に採れたてのおいしさを知らせたい」と話す。
○…約40年サラリーマンとして勤め、定年を前に家業である農家を引き継いだのが55歳の頃。今では約70種類の野菜を育てるベテランだ。多忙な時間を縫って、農業を始めたばかりの人たちへの指導も行っている。頼られると断れないといい「自分も育て方が分からない時期があったから、教えるのは当然だよ」と照れ笑いを浮かべる。一人前になり巣立っていく人も多く「作り方を習得し、お客さんと話せるようになり喜んでいる姿を見ると嬉しい。彼らを見ると自分も挑戦を続けなくてはと感じる」
○…6人兄妹の5男として、舞岡町で生まれ育つ。サラリーマン時代は社員教育などに力を入れていた。「自分が教えた人が、会社の戦力として活躍するのは誇らしい事」。勤めていた工業系の会社での経験は、作物を守るためのネットの作成に生き、これで特許を取得している。「人生無駄なんてひとつもない」
○…息子と娘も現在農業をしており、「腕はまだまだ、だけど嬉しい」と笑顔。苦労も多い仕事だが、「“食農教育”のボランティアで、子どもが興味を持ったり、美味しそうに食べてくれる瞬間もやりがいの一つ。もっと多くの笑顔を見られるよう頑張りたい」と前を向いた。
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