NPO法人「青年協議会」横浜支部代表で福島の犬や猫の保護活動を続ける 松木 彰詞さん 八幡町在住 37歳
感謝の気持ちを”心”で返す
○…被災地支援などを行うNPO法人に1年前から加わり、福島第一原発周辺の相馬市などで、飼い主と暮らせなくなった犬や猫を避難させる活動を行ってきた。支援者が神奈川でも活動しやすいようにと、清川村の山中に避難所を開設。ペットトレーナーらが犬、猫の面倒を見ながら、里親を探していく。「犬、猫はマスコット的な存在として地域をつないでくれる」と白い歯を見せる。
〇…福岡県出身。「関東に行けば、何かあると思った」と20代前半で上京。建設関係の仕事を転々としたが「誇れるものはなく、何も形にならなかった」と厳しい表情で振り返る。そんな中で起きた東日本大震災。テレビで見る被災地の状況に「何とかしてあげたいけれど、何もできない」。10代後半から20代前半を過ごした熊本の知人から昨年、ボランティア活動への協力を呼びかけられた。この1年で10回近く福島を訪れ、被災地を肌で知った。「1年経って、人手より、お金が必要」と現実を語る。
〇…活動に必要な人と資金は自力で確保するのが原則。仕事の合間を縫って県内の駅頭に立って募金を呼びかける。一緒に活動するのは学生ら約40人。中には電車で2時間近くかけて現場に来る人もいる。「充実感あふれる仲間の顔が見られるのが嬉しい」。最近は「いかに活動しやすい環境を作れるか」と黒子役に徹することを意識している。「みんな、”心”で支援してくれるので、心で返したい」と、協力者に手書きの礼状を出すことを欠かさない。
〇…八幡町に住んで1年。「”昭和”が残っていて、生まれ故郷に近い感じがした」。行き付けの理髪店は「お節介と感じるくらい話しかけてきて、とてもフレンドリー」と笑う。「人と人とがふれあう。これこそ社会だと感じる」。地域での経験は活動にも活かされている。「福島の子どもを招き、湘南の海で遊んでもらいたい」と願い、今後も神奈川と被災地を奔走する。
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