母乳育児支援コラム4 抱いて、見つめて、話しかけて 保健師 朝倉 きみ子<元気と機嫌が健康の目安>
人間は、人と人のふれあい中で生きています。「ことばのふれあい」「まなざしのふれあい」「心のふれあい」「肌と肌のふれあい」などの中で育っていきます。
心が豊かに育つために大切なことは、抱きしめられること、甘えられること、そして、安心感と愛されている実感を享受することです。おっぱい育児は、それを自然な形で作りあげてくれます。
「心の栄養」与える
おっぱいの役割は、身体を作ること、病気から体を守ること、水分の補給、そして、心の栄養(心の成長を助ける)です。とかく、私たちは心の栄養になっていることを忘れがちです。おっぱいを1日1回でも含ませることで、子どもの心に安心感を与えられます。やがて、心の中に信頼感や思いやりが芽生えます。
添え乳は「涅槃」
添え乳をしている姿はお釈迦様が頭を北、顔を西、右脇を下にして伏している「涅槃(ねはん)」の姿に似ています。仏教のある先生は、涅槃を「完全燃焼」と意訳しました。お釈迦様は一生涯、人々のために教えを説いて、旅の途中で亡くなられるまで、生涯現役、完全燃焼の生き方を実践されました。
「添え乳」をしている姿はまさに「慈愛」の姿。お母さんの身体から湧き出る白い血液(生命)が子へゆっくりと注がれています。おっぱいの出る量や赤ちゃんが飲む量にこだわらないでください。お母さんがおっぱいを直接あげる行為が大切なのです。
赤ちゃんの健康は、体重の増え方が大きな目安ではなく「元気と機嫌」がバロメーターなのです。
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