「瑞宝単光章」を受章し、社会福祉活動に励む 松原 和子さん 中里在住 78歳
優しく、力強く福祉支える
〇…半世紀以上住む六ツ川地区の民生委員として35年間活動。その間、同地区や南区の民生委員協議会会長を歴任し、2008年からは同地区社会福祉協議会の会長に就任。その活動が社会福祉の増進に貢献したとして、昨年、「瑞宝単光章」を受章した。2月4日の祝賀会では「みなさんの力があったから、ここまでやってこられた」と、これまで出会った人々と一丸となった結果であることを強調。「私だけ素晴らしいものをいただき、恐縮してしまう」と謙虚に受けとめる様子に、優しい人柄がにじむ。
○…大阪城近くにある寺の娘として生まれ育つ。幼なじみからは「『お寺のお墓を駆け回って一緒に遊んだ』と言われた。おてんばもいいとこ」と苦笑い。活発な少女だった。小学5年生のころに終戦。戦後の焼け跡の中で畑を耕した。「食べていくことが大変だった」。厳しい時代を乗り越えた芯の強さが、言葉の端々に感じられる。
○…結婚を機に南区へ。「温かく結束力があるまち。(自分は)よそ者だったけど、優しく迎えてくれた」と当時を懐かしむ。数年経ったころ、大阪から義母を迎えて同居することに。主婦業にゆとりが生まれたこともあり、教師を目指した。約1年で教員免許を取得し、試験に合格。幼い子ども2人を抱える「35歳の新米教師」が誕生する。専業主婦からの方向転換には苦労も多かったはずだが「大変だったのは未経験だったピアノを一から学んだこと」と笑い飛ばす姿は頼もしい。
○…教師として南小、別所小などで勤務。仕事を続けながら40歳で民生委員になり、生活に困った人の支援などをしてきた。歩んできた道のりを「自然の流れに身を任せてきた」と表現。裏表を感じない自然体な姿と、目標に向かって努力を継続する力が、人々を引きつけるのかも知れない。3年前に民生委員は退いたが、その優しく、力強い牽引力で、地域の福祉を縁の下で支え続ける。
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